誰のため?


常に自分よりも優先すべき人がいる環境で生きてきた私には、自分のために生きるというのがよくわからなかった。


いや、もしかしたら今もよくわかっていないのかも。


人を喜ばせるのは大好き。特別な人の特別な日には、必ずサプライズを考える。

人に物を貸す、手伝う、頼られる。全部得意。

任せられたことはとことんやる。多少睡眠時間や自分の時間を削っても。

全部全部、人のため。人の笑顔と「ありがとう」の言葉だけで、どこまでもがんばれた。


でも、それって人のためじゃなくて、「人の笑顔を生み出して感謝されてる自分に満足するため」なんじゃないかって思った。

それってちょっと、ずるくない?

それならもっと、本当に自分が心からやりたいことをして、自分を満足させる方がいいんじゃないか。

そう思って始めた、ずっと憧れてたバイトも結局のところ人の笑顔のためにやっている。

将来なると決めた職業も、まさに利他的。

ここまでくるとなんかもう笑っちゃう。


結局私は、利己的な行動に罪悪感を抱きすぎなのかもしれない。

自分の欲しいものを買うと罪悪感があるから、人の欲しいものを買って贈って、そんな自分に満足感を得る。

自分がやりたいゲームをやって時間を溶かすと罪悪感があるから、その時間で将来誰かの役に立つための勉強をする。


人のためになることを何もできなかった今日みたいな一日の終わりに、「何もできなかった」と自責の念にかられて眠れない夜を過ごすんじゃなくて、「こんな日もある」とか「自分のための日だった」って思えたら、もっと毎日は楽しいのかも。


人のために尽くせる自分はとても好きだけど、たまには自分が欲しいものを買って、自分が行きたいところに行って、気になっていた映画を見て、食べたいものを食べて、好きなゲームをしよう。


人のための仕事を選んだからこそ、自分のための人生にしたい。



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眠れない夜に

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