ヤツの市民権について
今日は、ヤツについて思うことを書いてみます。
私は、昭和時代にごく中流家庭に生まれた。
その頃、特に女性は、「ヤツ」という言葉を使っちやダメよと、母に言われて育った。
だから、ヤツという言葉を使ったのは、「冷奴(冷やっこ)」と、「おやつ」ぐらいですか?
他にあったかなぁ。
まあ、そのくらいでした。
イメージ的には、「あいつ」
そういった言葉でした。
ところが、何年前くらいからでしょうか。10年以上経ちますか。
テレビのバラエティー番組などから、男性が普通に言っているのが聞こえてきた。
そのうち、女性タレントさん。
男性キャスター。
そして、アイドル、女優さんまで。
へーっ。
その頃から、私もちょっぴり使ってしまうこともある。
確かに便利な言葉だ。
あの美味しい果物とか、あの甘いお菓子の代わりに、ヤツと言えば済む。
あの甘いヤツと。
ちょっと意識している時は、「あの甘いの」と言うけれど。
決して悪口ではないのですが。
昨年、某国営放送の男性アナウンサーさんが、イベントで子供たちにアナウンス体験の講師をしてくださった時だ。
「ヤツ」と言った。
へっ?
しばらくすると、また言った。
これは、本物だ。
ちょっと気を許している場というのもあるけれど。
放送中じゃないし、原稿の言葉じゃないけれど。
「ヤツ」と言う言葉が新鮮に響いた。
その事を、その場に居合わせた40歳過ぎの女性に言った。
悪口じゃないですが、と、また前置きしながら。
女性は気付かなかったと言う。
そして、「ヤツ」って 言葉、そう言うものなんですかと言う。
世の中変わったんですね。
確かに、言葉は変化していくと、何年も前に某国語辞典監修の先生もおっしゃっていた。
江戸時代の言葉を使っていないでしょって。
確かに。
「あのヤツ」って、確かに楽ちんな言葉だ。
今、これを書きながら、奴さん(やっこさん)の折り紙を思い浮べて、笑ってしまう😆
君、出世したよね。
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