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肩関節周囲炎は"絶対治る"と言いたい人へ

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肩の患者さんを見たことあるだったら
こんな経験をしたことありますせんか?


経過とともに症状が改善していけば良いですが…


【変化がないと心配になりますよね?】

僕は不安で患者さんに説明が上手にできなかった経験があります。

「基本的に治る…はずです…
頑張ってリハビリをやっていきましょう…」


ただ、
今回紹介する論文や、それらを自分なりに"理解"し"咀嚼"した上で

今はこのように言っています。

『大丈夫です!◯◯のところまで改善すれば改善します。だから安心してください。』

と。


僕のように不安になって患者さんに説明できなかった人は多くいると思います。


そんな不安を取り除く記事になっていると思いますので、
一緒に頑張っていきましょう!

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みなさんこんにちは
志水です(@echohuku)

今回は…

前回の↓
肩関節周囲炎って誰がどれくらいなる?~なりやすい人の特徴や遺伝要素~
前々回の↓
肩関節周囲炎のキソ《由来》や《定義》って大切ですよね。

に引き続きまして

"肩関節周囲炎の予後"について
書いていきます。


みなさんは…

肩関節周囲炎はリハビリを"しなくても治る"
肩関節周囲炎はリハビリを"しないと治らない"

どう思いますか?

そしてみなさんは…

患者さん・クライエントから

『五十肩なんてワタシの周りの人達は自然と治ってるんだけど、リハビリする必要あるの?』

と言われたことはありませんか?


そして
その時になんと言って答えていますか?


この記事では、
今現存する肩関節周囲炎の予後について解説していきます。


そして最後には
僕が500名以上の肩関節周囲炎患者を経験し
"今"たどりついた自分なりの答えについてお話していきたいと思います。


ということで、本題にはいっていきますが…



【肩関節周囲炎は治療をしなくても治る】

といった話を耳にしたことはありますか?

そして、患者さんから
「これってリハビリしないと治らないの?」

と聞かれたことはありませんか?

というのも

肩が痛くなったとしても
「医療機関に受診せず症状が改善した。」

という
ケースがとても多いから
そのような考えを持っている患者さんが
いるのだと思います。


しかし、それ(放置しても治ること)
は本当なのでしょうか?

何もしなくても肩関節周囲炎は"治る"
のでしょうか?

肩関節疾患に向き合ってる人ほど
この問題に頭を抱えた経験が
あると思います。

『この患者さんは治るのかな…?』


そんな悩みを抱えている人の問題を
解決する糸口になるかもしれません。



肩関節周囲炎の自然経過は?

肩でとても著明な"Codman"は1934年に

 "肩関節周囲炎が最も長期化した症例でさえ、治療の有無にかかわらず約2年で回復する"
Codman RA. The Shoulder. Boston, MA: Thomas Todd Co; 1934:216–224

と述べています。 1)

今から約90年前からそのように言われ
その後も肩関節周囲炎の自然経過を追った研究はいくつもありますが、結果は不明瞭です。2-4)

というのも…

Reevesらは
"41人の患者を対象とした前向き研究では、5~10年で肩の可動域が完全に回復したのはわずか39%であった"

Reeves B. The natural history of the frozen shoulder syndrome. Scand J Rheum. 1975;4:193–196.

つまり、
「自然経過では予後が悪い」
といった結論を報告していますが4)

Diercksらは
"45人の患者を対象とした同様の研究で、89%がConstant-Murleyスコアが80以上を達成した"

Diercks RL, Stevens M. Gentle thawing of the frozen shoulder: a prospective study of supervised neglect versus intensive physical therapy in seventy-seven patients with frozen shoulder syndrome followed up for two years. J Shoulder Elbow Surg. 2004;13:499– 502.

つまり…
自然経過でも予後良好」である
と報告しています3)。

これらの研究のポイントは「自然経過」という点で
どちらも理学療法の介入は無い状態での報告となります。
(ほんとに観察だけをしていたようですが、なかなかすごい研究ですよね。しかも最長では7年も追跡したようです。)


上記の2つの研究をみてわかるように

結論は
相反するものとなっています。

Reevesら→自然経過は予後不良
Diercksら→自然経過は予後良好

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