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物流って3K ? 最先端技術を駆使した今の【物流とは? 】を解説

物流とは、最後の暗黒大陸である  (ピーター・ドラッカー  1909  - 2005)

皆さんは、物流とはどんなイメージだろうか?

Amazonを始めとするネットショッピングも、COVID-19で増えたUverEATSも、「運んでくれる」人がいるから、家で寝てても物が届く。

最近では出前館で「15分以内」の即配サービスまで出てきている。ここでは、近年の日本や海外の物流事例を見ながら「物流とは?」を解説していこう。


物流とは?

物流(Logistics)とは、「モノを運ぶこと」だ。

wikipediaでは、

「生産者」から「消費者」へ引き渡すこと

とあるが、最近ではUverEATSのような運ぶだけの仕事もある。

一般消費者だったり、事業者だったりで考える視点は各々違うが、共通して言えるのは「AさんからBさんへ、モノを届けること」である。

そんな物流の現場で昔から言われていたのは、物流とは3Kの仕事であるということ。

きつい
汚い
危険

いわゆる、「働きたくない」環境だ。

倉庫の中では、季節に応じて暑かったり寒かったり。

取り扱う商品によっては自身が汚れる作業があったり。

ガス等危険物を取り扱う場合は防護服など人体に影響がない措置を施したり。

そんな3K現場の物流が、ここ数年でイメージを刷新しつつある。

最近の物流動向

近年、物流の現場では3Kのイメージが刷新されつつある。

その先端事例が、トラスコ中山株式会社の「プラネット埼玉」だ。

ここでは、HPの「プラネットツアー」の情報をもとに解説していく。

まず入り口では東京都心部にあるような環境が配慮された、4階建ての吹き抜けのエントランス。おしゃれ感がすごい!


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そしていざ倉庫内へ。倉庫ではAGVと呼ばれる無人搬送車で商品を搬送。通常では人が重い荷物を運ぶが、ここではAGVが床に貼られた磁気テープを頼りに目的地まで自動で搬送される。

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また商品の出荷作業も自動化している。通常は人が出荷する商品を格納されている棚まで取りに行くが、自律型搬送ロボットのButlerを73台導入し、人が移動する工程を自動化している。

さらには、Autostoreと呼ばれる空間効率を上げることでより多くの在庫を限られたスペースに格納することを実現している。

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<Butlerの作業風景はコチラ>

<Autostoreの作業風景はコチラ>

その他各工程に自動化設備が搭載されており、人の作業が従来に比べて格段に減っている。また、働きやすい環境にも着手しており、 施設内に保育士常駐の託児所を完備。

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そして極め付けは屋上全体に行き渡る太陽光パネル約2,800枚の太陽光発電。

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働く人、そして環境に最大限配慮された物流拠点である。この拠点を3Kという人がいるだろうか。

また、お隣中国の事例では完全自動化の物流倉庫が稼働中だ。

中国の京東商城(JD.com)という会社をご存知だろうか。weChatを運営するテンセントグループの傘下で、下記の図でいくと総合通販モールに該当します。

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引用元:https://netshop.impress.co.jp/node/5215

そんなJD.comが、全自動物流倉庫を稼働しました。

段ボール単位でのピッキングから、出荷用箱の組み立て、倉庫内の搬送まで全ての作業が自動化されています。

トラックへの搬送等まだ課題は残るものの、ピッキングロボットから搬送ロボットまで全ての工程が自動化されており、近未来型の全自動化物流拠点ではないだろうか。

物流とは、絶対になくなることのない産業

食品・日用品・薬品・電化製品・化粧品・車・玩具 etc...

製造業がこの世にある限り、物流という概念はなくならない。

B to Bだろうと、B to Cだろうと、C to Cだろうと、必ず「モノを運ぶ」という工程は存在する。

冒頭のドラッカーの名言にもあるとおり、これまで経営課題を論ずる時に最初に挙げられるのは営業力や研究開発体制の強化であり、物流は後回しにされてきた。

ただここ5-10年、物流を新たな経営資源として見直す動きが顕著になってきている。暗黒大陸とは見方を変えればブルーオーシャンであり、次から次へとビジネスチャンスが生まれる大海原なのかもしれない。









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