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なぜインタビューをするのか

どこから話すべきか、非常に難しいですが、順を追って丁寧に話していくのが賢明だと思うので、少々回りくどいですが、適当に読み飛ばしてもらえればと思います。

きっかけはリバネス奨学金

そもそものきっかけは2023年4月に採択されたリバネス奨学金で参加したゼミでした。ゼミで感じたことの詳細は別の記事にしようと思いますが、簡単にいうと、手弁当で自分の好奇心を満たせるのは本を読んだり、映画をみたり、論文よんだり、人の話を聞いたりだから、これを人に伝えればそれもきっと面白いと考えました。自分の面白いを伝える。シンプルではありますが、それがインタビューをしている理由になります。

周囲に参加しているゼミ生の活動などを見ていて、凄いなと思う一方で、自分が同じことをやるとかっていうのも多分違うなと途中から気づきました。最初は色々アイデアを出してみたり、考えたりもしましたがどうにも居心地が悪く、やっていて楽しくなかったのが本音でした。他のゼミ生の真似すべき点は彼らのやっている内容ではなく、姿勢だなと気づき、その中でも彼らの楽しんでいる姿が印象に残り、私自身吹っ切れた節があります。

今の自分の手持ちの札でいかにやりたいことをやるか。それを積み重ねれば、知恵もつくし、手を貸してくれる人もいる。ゼミ生の進捗報告とかを聞いて、そんな風に考えるようになりました。

もちろん、楽しいだけで物事は進みませんけど、動機としてワクワクがないことをいくらか頑張っても空しいとは個人的には思います。

いざ、インタビューへ

さて、これまでインタビュー記事を2本書き(インタビューを終え、編集・調整中のものはいくつかあります)、色々と不手際な部分もありますが、それでもワクワクすることが多いです。基本的にはインタビューの準備をして(例えば、事前に書籍や論文をチェック)、インタビューを実施するまでは楽しいです。それから、新しいインタビュー先を探すのもワクワクします。

では、編集作業はどうかというと、基本的に楽しいよりも面倒なことが多いです。もちろん、編集も終わってから振り返ると有意義だったという印象が大半を占めますが、とはいえ、編集作業に取りかかっているときはそんな余裕もありません。

話していた時には気づかなかった疑問もありますし、編集そのもので悩むこともあります。現在の編集スタイルは、インタビューの対話の感じを極力損なわずに、その様子を文字に起こすことです。故に、ある程度脱線しながらでも、話してくれている人の為人が少しでも分かってもらえればなと思っています。どの人も直接会って話を聞けば面白いに決まっているのですが、その熱を逃がさずにどうやって、記事を通して伝えるか、ここが編集のしどころだと思ってます。

それから、インタビューする対象としてサイエンスを扱っている人が多いので、科学的に誤解を生まない表現というのも気を遣うところです。正確にかつ平易に伝えるということの難しさは日々感じていますが、面白い発見も多いです。

よくあるのは、インタビュー時に使っていた表現を文字に起こして初稿を上げると、違う表現に差し替えて欲しいという要望を受けることがあります。これはどの人の場合でもあり、特にご自身の分野の内容であればあるほどその傾向は一層強まります。ここに研究者のこだわりが垣間見え、個人的には楽しみの一つとなっています。

誰にインタビューをするのか

今のところ、知り合いの、海の研究をしている、大学生(修士~博士)を中心にインタビューをしています。理由は簡単で、普段何となく関わっている友人が熱を注いでいる研究について腰を据えて聞いてみたいからです。

研究室の先輩に同じ分野の研究の話をする機会はあるかもしれませんが、友人という共通項で結ばれた関係だと、自分の専門分野の話をする機会はそれほど多くないかと思います。ある人物のバックグラウンドを知るように、その人物が手がける研究についても話を聞いてみたいというのが私の思いです。

私が見る時代の記録として

それから、研究というテーマに絞っているのはもう一つ理由があります。あまりはっきりしたことは言えませんが、私はアカデミックの世界に残ろうと考えています。それを踏まえて、インタビューとは関係なしに、研究者の話を聞くことが多いのですが、ネガティブなこともポジティブなことも耳にします。そこから、素朴な疑問として、これからの科学はどこに向かうのだろうかと考えます。それは単に科学技術の発展の話だけでなく、科学を取り巻く業界の雰囲気がどう変化していくのだろうか、ということも含みます。

最近では、学部3年の私が修士1年の方にインタビューをしています。人によっては修士1年で研究の何が分かると言う人もいるでしょう。その気持ちは幾らか分かりますが、私としては今の時代の修士1年の方が研究に向き合い何を感じ、業界の雰囲気など少しずつ感じているものの気配について、自分の言葉で語って欲しいと考えています。

そこから、見えるものは何だろうか。今はいろんな方の非常に具体的で個人的なインタビューを積み重ねる段階です。正解も間違いもない個々人の実感として、科学とか研究とかがどうなっているのか自分なりの記録を残していきたいと思っています。

これからインタビューしたい相手とは

研究をしている学生にインタビューを続けるのは間違いないですが、そのほかにもインタビューしたい方は漠然とですが存在します。1つは、目的ありきのインタビューではなく、何かの巡り合わせで出会った人のインタビューをしてみたいです。用意されたものではなく、偶然その人を知り、話聞いていく中で興味をもち、その人の言葉を聞き出し、私なりに文章を立ち上げてみたいなと思います。

それから、こどもにもインタビューをしてみたいです。これはかなりチャレンジングですが、その時代を生きるこどもが何を考え、思っているのか、興味があります。スーパーキッズとかではなく、むしろ今ハマってるスマホゲームについてダラダラと話を聞いてみたい気もします。



Kohsei

東京海洋大学 海洋資源環境学部 海洋環境科学科
普段は株式会社イノカでバイトをしながらサンゴの研究をしてます。サンゴ礁ラボにいることも多いです。

mail: dorcus.kosei@gmail.com
twitter(X): dongri_dorobo


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