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「投球制限」と野球肘

今日、夏の甲子園の話題で盛りあがっていますが、
高校野球で投手の投球数制限の問題も連日議論されています。


大会による一発勝負の試合の中、
勝つために同じ選手が連投し続けることで、
一選手の負担を増やしてしまい、
故障を抱え野球選手としての選手生命に
影響するケースも珍しくありません。

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私が医療機関やスポーツ現場で
選手や指導者・保護者の方より受ける質問として、

「どのくらい投げると投げすぎなのか?」
「投げなければ痛みはでないのか?」

とよく問われます。

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明確な答えはありません。

しかし、

「どのくらいリスクがあるのか」
「そのリスクを減らすためにはどのようにすればよいのか」

これは選手に関わる上で理解しておく必要があると思います。


そこで、
今回は投球数と野球肘の関係についてnoteでまとめたいと思います。

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■なにが投げすぎなのか?

-米国での取り組み「ピッチスマート」-


2014年にMLBと米国野球連盟が
18歳以下のアマチュア投手を対象にした
故障防止のためのガイドライン「ピッチスマート」を発表しました。


このガイドラインに沿うことで

ジュニア世代からの投球による肩・肘等の負担の蓄積を減らし、将来的にも高いパフォーマンスを発揮することにつなげることを目的とされています。

(引用:MLB公式HP
http://m.mlb.com/pitchsmart/pitching-guidelines)

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このガイドラインは米国以外にも、
中南米・欧州などの諸外国の多くのジュニア世代の
野球選手に導入されています。

このガイドラインの特徴として、

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これが細かく決められています。

つまり、
この定められた投球数を超えると
「投げすぎ」ということになります。

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■日本の現状

諸外国と日本の大きな違いとして、
投球数の管理方法にあります。

諸外国ではルール管理であるのに対し、
日本ではチーム単位での管理が中心になっています。

先に述べた「ピッチスマート」と比較し、

日本の高校野球では
大会の過密なスケジュールの中、
100球、150球を超える連投が続いていることが現状です。

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ジュニア世代の取り組みでは、

全日本軟式野球連盟による
「学童野球に関する投球数制限のガイドライン」が定められています。
(引用:全日本軟式野球連盟HP)

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中学硬式野球団体の「ポニーリーグ」では、
「1日の投球数制限を85球までとする」
といったルールで中学硬式野球団体で初めて導入されました。
https://baseballking.jp/ns/190147



日本の野球のジュニア世代でも少しずつ投球障害の予防に関して活動が進んできています。

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ただし、現状は、、、
チーム単位での管理に委ねられていることも多く、
このルールの盲点をつき、チームによっては
「過負荷」な投球数(=投げすぎ)を
強いられているところもあるのではないかと思います。

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例えば、
チームの中心選手がピッチャー・キャッチャーをやることが
多いジュニア世代では、ピッチャーをやった後に
キャッチャーに入ることをよく耳にします。

ルール上、ピッチャーの投球数は守れていても、、実際に医療機関で来院した選手にヒアリングすると、このパターンはとても多いです!

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■投球制限をすれば投球障害にならないのか


この答えはNOです。
なぜか?

投げる球数だけが投球障害をきたす?
ではないからです。

※しかし投げる球数が増えれば増えるほど
投球障害をきたすリスクは高くなります。


投球障害を起こす理由には
「投げすぎ」といった投球数の環境的な理由以外にも
身体的な理由があることを見逃してはいけません。

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つまり
投げすぎないことはとても大切なことです。

しかし、
投げるためのカラダの力が不足し、
負担のかかる投球フォームで投球をしていたり、
投球後のケアが不足しても投球障害の起こる可能性は十分にあります。


(引用:野球肩・ひじ・腰の鍛え方・治し方)

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この図からもわかるように、
負担のかかる悪い投球フォームでの投球は、
約2倍のストレスがかかるといわれています。


小中学生で、まだカラダが成長発達途中である
この時期にプロ野球選手並みの負担を肘にかけることになります。


投げるためのカラダを準備し、
安全なフォームで投球するという視点も忘れてはいけません。

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■投球後にしておきたいクールダウン・ストレッチ


今回は投球動作の繰り返しにより
負担のかかりやすい・硬くなりやすい筋肉のストレッチをご紹介します。

テーマ「肘をしっかり伸ばせるようにしよう」

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|前腕の筋肉ほぐし

肘の外側・裏側の骨のでっぱり間から、
手首の方向に向かってほぐしていきます。

・・・・・・

|指のストレッチ

指~手首~前腕にかけてストレッチをしていきます。

・・・・・


|上腕三頭筋・広背筋ストレッチ

グラウンドでは、ベンチのあるところでバットなどを使って、
肘を曲げ伸ばししながら伸ばしていきます。
腕の裏側~肩の後ろ側~背中にかけてストレッチしていきます。


まとめになりますが、

野球肘を予防するためのポイント

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選手自身も
投球後に行うケアを重要視して
疲労を溜めすぎないカラダにすることを心がけましょう。


今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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