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投球動作分析-評価から動作を修正する-

L-tra.+12月の第4週目を担当する佐藤康です。

今月のL-tra.+では各ライターのオリジナルテーマで配信しております。

私が担当する今回は、これまでL-tra.+を通して長い間お伝えしてきました、「投球動作」について配信していきます。
以下はこれまでお伝えしてきましたタイトルの一覧になります。

|「肘下がり」の分析
|「手投げ」の分析
|「肘後方痛」の分析
|並進運動
|テイクバックからみるポイント
|回転運動
|軸脚の動きと投球動作
|投球トレーニング動作
|投球動作と胸郭
※ご興味のある方は添付したまとめ記事をご覧ください!

今回はその総集編として、実際の投球動作の分析から
「なにをみて・なにを評価して・なにを修正していくか」をお伝えしたいと思います!



■投球動作をみるには

投球動作って複雑で、見るのが難しい。。

少なからず、
こういったイメージを持つ方はいらっしゃるのではないでしょうか。

患部にストレスが増大した理由は局所のみではなく、患部外機能が関連した問題を把握し、修正できることで局所にかかるストレスの改善につながっていくことがほとんどです。

患部機能の問題はわかるけど、
患部外の機能の問題をどのように結びつけて考えていくのか?


これまでお伝えしてこなかった修正方法についても、まとめていきますのでぜひご覧ください!

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◼️投球動作分析のポイント

はじめに、投球動作をみたときに
なにをみているのかについてまとめていきます。

冒頭でお伝えしたように投球動作をみるにあたり、一つの答えに正解はなく、多角的な視点が大切であると思います。

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そこで、私が抑えるポイントは
「痛み・病態と動作」の関係性を捉えることをおさえています。

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図にもあるように、
痛みの起こるフェイズとその動作に至るまでのフェイズを分析し、要因を探っていきます。


例えば
投球障害に多い肩最大外旋時(MER)の痛みを挙げます。

MERでの痛みを考えるときに、MER動作時の問題を考えます。

|患部
肩関節外旋制限
|患部外
投球側の胸郭伸展/回旋
足接地時の下半身に対する上半身位置
体幹-骨盤の分離 など

などが起こりやすい問題です。

このような動作のエラーから、
●さらになにが動かないのか、
●その姿勢・動作を保てない要因はなにかを探ります。

そのため、投球動作をみるというよりも、動作の特性を理解し、基本動作や各関節の動きの評価をみる方が大切であると捉えています。


◼️投球動作を基本動作に分解する

投球動作の構成として、重心移動を分解していきます。
運動の様式として、投球動作は並進運動と回転運動により構成されます。

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|並進運動
Wind-upから足が接地するLate cocking以前の動き
|回転運動
Early cocking以降

と大別し考えていきます。

それぞれの機能を詳細にみていきます。

|並進運動評価

並進運動の中心を担うのが軸脚となります。
軸脚でためた力を投球方向に伝えていくにあたり、並進運動がポイントです。主に並進運動は前額面上の動きを捉えていきます。

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並進運動における動作の特性として、片脚で支持したまま投球方向に推進していく動きとなります。そのため、片脚の重心移動を伴う支持性と軸足側での体幹の回旋機能が主に求められます。

つまり、
下肢の支持性骨盤-胸郭の動きの自由度について
基本動作で評価していきます。

上記要素を踏まえ、
私は以下の運動で基本動作に置きかえ、評価をしています。

①軸足機能:《Leg reach test》
②骨盤‐胸郭の自由度:《並進運動テスト》
③脊柱・胸郭柔軟性:《側屈テスト》

|Leg reach test


|並進運動テスト

|側屈テスト


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|回転運動評価

つぎに回転運動について解説していきます。
並進運動に対し回転運動の中心を担うのが主に踏み込み脚となります。

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軸脚→踏み込み脚への移動+踏み込み脚上での回旋運動が主体となります。そのため、回転運動(水平面上の動き)+並進運動+回転運動への移行についてみていく必要があります。

つまり、基本的に並進運動が主体の動きから動作が開始するため、その動きを考慮した分析が必要となります。回転運動の力源をつくるのが並進運動となります。

回転運動でおさえる基本動作は

①踏み込み足機能:《Functional reach test》
②上半身重心移動:《並進運動評価(踏み込み足側)》
③脊柱・胸郭柔軟性:《回旋テスト》

|Functional reach test

|並進運動評価

|体幹回旋テスト


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