投球障害予防のための肘関節
投球障害予防シリーズ最終章!
最後となる今回のテーマは「肘関節」について!
野球選手の中には、
肘の痛み(野球肘)を経験したという選手が少なくないと思います。
今回は、そんな数多く発生している野球肘の
予防に必要なセルフチェックおよびエクササイズを紹介していきます。
■野球肘とは
|野球肘
投球動作の繰り返しのストレスによって
引き起こされる肘関節の障害
野球肘はストレスがかかる場所によって
痛みの場所が分けられます。
これには大きく3タイプに分けられます。
①内側型・②外側型・③後方型
(引用図|ヒューマン・アナトミー・アトラス)
これら3タイプの痛みの場所は
投球動作の中でも、後半の動作で痛みが出やすくなります。
内側型⇨MER〜リリース
外側型⇨MER〜フォロースルー
後方型⇨リリース〜フォロースルー
このように投球動作の場面ごとによっても
障害されやすい場所が変わってきます。
■肘のストレスになりやすい投球フォーム
前述したように野球肘とは、投球動作によって繰り返し引き起こされる肘にかかるストレスによって生じます。
このストレスが引き起こされてしまうのは
以下のように2つの要因が多くを占めます。
野球をしている選手全員が野球肘になるというわけではありません。試合数が多くて球数を投げていても全員痛むわけではありませんが、ケガをしやすい可能性は高くなります。
特に同じ球数でも不良フォーム(異常な投球フォーム)になっている選手ほど肘の負担は大きくなります。
そのため、肘にストレスをかけてしまっている
不良フォームを改善していく必要があります。
実際にどういうフォームが肘にストレスがかかっているのでしょうか?
・トップの不定
・手投げ
などは、成長期の選手にみられやすい投球フォームでもあります。
ボールや手の位置が
頭や体幹から離れれば離れるほど、
肘にかかるストレス(負荷)は高くなります。
また、リリースのときに図のように
肩−肘−手のラインが真っ直ぐでない場合は
肘にストレスがかかりやすくなります。
肘関節の動きは曲げ・伸ばしの1方向の動きが主となります。
そのため、前述した不良フォームにならないためには、
特に肘が伸びるかどうかが重要になってきます。
肘が伸びきらない選手は注意が必要です。
そのため、肘の問題に加えて、
肩関節や股関節、体幹など投球動作は全身が関わってくるため、
カラダの動きの改善+自分のフォームを見直してみることが大切です!
肩や股関節、体幹が気になるという方は
以前に投稿している記事を参考にしてみてください!
■野球肘を繰り返してしまう選手の特徴
野球肘で最も問題とされているのが、
復帰後に再発を繰り返してしまうことです。
そういう選手に多いのが、肘を痛めた後、ただ安静にしているだけで肘に対するケアをほとんどせず、痛みを基準にして復帰してしまうことです。
確かに安静にしていれば、炎症が引き、痛みは引いていきます。しかし、野球肘を生じてしまった原因が改善されなければ、再発してしまう可能性は高いままです。
そのため、
ノースローなど投球を抑えた安静にしている期間に
肘に対するケアおよび不良フォームの改善が必要となります。
■セルフチェック
今回は、肘にストレスをかけている要因の1つである「肘関節の動き」について、1人でチェックできる方法をご紹介していきます。
|肘の伸び
|前腕の捻れ
|手・前腕の内側(小指側)の筋力(グリップ力)
|肘の伸び
|前腕の捻れ
|内側のグリップ力
これらの動きになにか異常のある選手は注意が必要です。
■セルフケア・エクササイズ
上記のセルフチェックで確認したら、
次はケアやトレーニングを進めていきます!
|橈骨モビライゼーション(前腕捻れの修正)
|肘伸ばしストレッチ
|内側のグリップex
まとめ
野球肘を改善するためには、
肘にかかっているストレス・負荷を減らすことが重要なポイントです。
ただ安静にするだけではまた再発する可能性は高いです。
投球数が過剰になるような環境を整備し、肘以外の部分の柔軟性や筋力のチェックを見直して、投球に求められる肘のコンディションを高め強化していきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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