野球肘を予防する!強いヒジのつくりかた
先週、高校野球では高野連(高校野球連盟)より
<投球数制限>の問題に動きがありました。
これまで投球数過多に対する対応として
ルールを決めることに賛否があり、平行線状態でしたが、
少しずつ変わり始める動きとなるのでしょうか。
こういったシステムが検討されたのは、
投げすぎによって、有能な選手が故障をし、
選手生命に関わる大きなケガが後を絶たないことなどが
背景としてあります。
言い換えれば、
連投・投げすぎ=肘がこわれる
オーバーユースによる問題です。
オーバーユース
オーバーユースはやむを得ない問題ではなく、
防げる問題です。
カラダの未発達な小中学生は
カラダのつくりが
大人にくらべて脆いため、
負荷が強くかかれば壊れてしまいます。
高校生以上になると
カラダの成長は完成していきます。
そのため、動きや負荷量に耐えうる力が
あれば壊れにくくなるのです。
反対に
耐えうる力が弱ければ壊れてしまいます。
そのため、
世代・からだの成長に合わせた指導が
とても大事なポイントとなります。
それでは、
壊れにくい肘とはなんでしょうか?
連投しなければよいのでしょうか?
あなたのヒジは
強いヒジか?それとも弱いヒジか?
今日はそれについてnoteでまとめたいと思います。
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■ヒジを壊しやすくする要因
投球動作において「ヒジ」は
腕をしならせるときに起こる<外反>と
ボールをリリースするときに起こる<伸展>
という動きが、
強くかかったときにダメージを受けやすくなります。
人によって投球フォームはさまざまですが、
どのようなフォームでも少なからず、
<外反・伸展>は起きます。
これが
強くかかりすぎる状態がよくないのです。
投球障害にみられる身体的特徴
1 肩後方筋群の伸張性低下
2 下肢・体幹筋群の伸張性低下
3 前腕回内屈筋群の伸張性低下
つまり、
1 肩の後ろ側がかたい
2 下半身・体幹の柔軟性が低い
3 腕の内側がかたい
これらはヒジの外反・伸展を強める可能性が高いといえます。
また、
外反の動きに対しブレーキをかける
筋肉がとても重要な役割をします。
したがって、
これらの筋肉は投球動作の繰り返しによる
「オーバーユース」によって硬くなりやすく、
次第に限界をむかえ肘の故障につながっていきます。
このチェックポイントを押さえておきましょう。
①肘を押した痛みのチェック
②肘の曲げ伸ばしのチェック
③肘のストレスのチェック
このnoteでも肘のセルフチェックについて詳しく解説しています。
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■強い肘とは?
強い肘とは、
このような肘をイメージするかもしれません。
たしかに強そうですよね!
野球における強い肘は、
いわば「壊れにくい肘」が
ケガに強い肘といえると思います。
壊れにくいヒジをつくる上では
「ヒジの動きをよくする」ことと
「ヒジに影響させる肘の周りの動きをよくする」こと
が必要になります。
今回は前者である
「ヒジの動きをよくする」こと
をお伝えしたいと思います。
壊れにくいヒジをつくる大事な3つの要素として
柔軟性・筋力・協調性が必要になります。
つまり、
「柔らかく」
「力があり」
「バランスよく動かすことができる」
ことが大切です。
どれか一つだけが
できていればOKではなく、
どれもが適切に働いていることが大事になります。
これらを改善するトレーニングは後半の
「強いヒジのつくりかた」
で詳しく解説しています。
ぜひ最後までお読みください。
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■連投しなければヒジは壊れないのか?
はじめにも簡単にお話しましたが、
連投はヒジの故障を起こしやすくなります。
しかし、
というと
「投げすぎ」だけが原因ではありません。
それ以外にも肘を故障する理由は
多くあります。
柔軟性・筋力・身長・体重・投球フォームなどの
選手個々の<カラダの問題>や
チーム環境・ケガの知識を持つ
指導者/保護者の存在・運動頻度などの選手をとりまく
<環境の問題
野球肘になった選手は他の選手より知らないうちに
余計な負担をかけてしまっているのです。
つまり、
「野球肘をゼロ」にするには
選手をとりまくさまざまな要素に対応していかなければいけません。
そのため
「連投しなければOK」ではなく、
選手自身・選手を管理する指導者さんにも
よりケガの知識を持っていただきたいと思います。
「投球制限」については
こちらのnoteでも解説しております。
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