コロナ過突入から引退【最終章】
おはよございます。13年間続けたプロボクサーを引退した小原佳太です。
現在は私はアマチュアボクシング全国大会二冠、プロボクシングで日本二階級制覇の実績と日本トップで戦い抜いた20年のボクシング知識をより多くの人に知ってもらうメンバーシップと基本を重視しながら戦略面も含めバランスの良いボクシングを伝えるボクシングレッスンを行っています。
今回の記事では2020年に日本ウェルター級タイトルを獲得後コロナウィルスパンデミックによりボクシング業界だけではなくスポーツ業界が止まり、ボクシング1本で生活してきた私がどのように耐え凌ぎ引退を考えたか。
そして、2023.4.8.WBO-APタイトルに敗北し引退するまでのボクシング人生終盤を記事にします。
ロナウィルスパンデミック
小原佳太のボクシング人生シリーズは前回【日本2階級制覇】まで記事にしていますが今回で最終回、コロナパンデミックから引退までです。
2020年に流行しはじめた新型コロナウイルス流行に伴い日本のボクシング興行も3月には全ての興行が行えなくなりました。
2020.2.1に日本タイトルを獲得し日本最強を証明しましたが目標としている世界で戦うことに歩みは進められません。
加えてプロボクサー以外の仕事をしていない小原はコロナウィルスパンデミックによるスポーツ業界停止に収入源もなくなります。
しかし、ここで
「ボクシングレッスンをしてほしい」
とおっしゃっていただいたことにより小原佳太のボクシングレッスン【小原佳太の拳闘教室】を始めたことで仕事をせずに今後を見据える時間に融通がきくボクシング中心の生活を続けられました。
負けに等しい判定
2021年コロナウィルスパンデミックは継続していましたが
・無観客試合
・声出し禁止
・マスク着用
などの制限付きでボクシング興行も再開され小原佳太の試合も決まります。
私自身は「もう一度世界へ」と思っていましたが簡単には国境を跨げる時期ではなくて1年2ヶ月ぶりに決まった対戦相手は後に日本王者となる坂井祥紀選手。
坂井選手はデビュー戦の2010年から2020年までメキシコでプロボクサーとして活躍していたファイターでした。
2021.4.8.日本ウェルター級タイトルマッチ、この試合は僅差の判定勝ち。
試合内容は坂井選手勝利の声も多いほど僅差、自分自身の腫れた顔を見て負けてもおかしくなかったと反省が大きい試合でした。
この試合でポイント取られた理由は対戦相手のボクシングスタイルを試合前の事前映像で決めつけ、試合本番で予想ボクシングスタイルとの違いに対応できなかったことでした。
試合後は本来のアマチュアボクシング時代からどんなスタイルにも対応できるようにしていたボクシングを意識し、プロになり磨いたフットワークと距離感、当てる場所をを更に意識して練習しました。
悔しさにより練習に身が入りました。
薄氷の勝利から8ヶ月、コロナ禍が継続していて制限がありプロボクシング試合数も少なくなっていて2度目の防衛戦は2021.12.9.帝拳ジムの玉山将也選手と決まりました。
試合前の玉山選手の印象は体格が大きく、どっしり構えたファイター型。
連続で苦手なファイターとの試合でしたが前戦の反省を活かしてフットワークと距離感を意識して戦うことを戦略とし、相手がベタ足でどっしりした構えなので1R開始早々に右アッパーで前傾に構えることを警戒させました。
結果はダウン経験のない玉山選手を1Rからダウンさせ、その後もヒット&アウェイでパンチを当て続け瞼を切り裂き5R.TKO勝ち。
内容に満足の完勝でした。
1Rのダウンの秘密はこちらの記事をご覧ください。
ただ、玉山選手は試合前の印象と変わらず男前。
試合中もフェアで試合後も悔しさを噛み砕き控室まで挨拶に来てくれました。
腱断裂
2021年のコロナウィルスパンデミック中は試合数も少なかったですが1年に2試合行えたのは良かったです。
例年通りに年明けか行われる各階級の王者とランキング1位が戦うチャンピオンカーニバル。
2022年のウェルター級は2020年と同じ対戦カード、永野祐樹選手と立場を変えたチャンピオンカーニバルでの再戦でしたが試合一ヶ月前に小原佳太の怪我により試合はキャンセル。
そして、休養王者となった小原に変わり暫定王座が作られることになり勝ち上がった小畑武尊選手と2022.10.11に戦うことになります。
小原佳太の怪我は【右ヒラメ筋腱断裂】、自覚症状は軽くとも再発の可能性が高い怪我と医者に言われ怪我から3ヶ月完全に運動を止めました。
3ヶ月の完全休養を終えて完治の確認をしてからの運動は若干に恐怖はありましたが変わらない目標である【世界で戦う】為に急いで体力を戻しアメリカ合宿へ向かいました。
この合宿ではSL級元世界チャンピオンのセルゲイ・リピネッツ、東京オリンピック銅メダリストのバチコフ、アルゼンチンSW級王者などと練習をして自身の限界を超えて挑戦できたことにより試合に対する不安はなくなりました。
アメリカ合宿を終えて小原佳太の怪我により暫定王座についた小畑武尊選手との試合は格の違いを見せ3R.TKO勝ち。
しかし、アメリカ合宿を終えて日本での練習には何故か身が入らず違和感を感じていて、これが身体の衰えならば世界では戦えないと思い試合翌日にジムに引退の意向を伝えました。
13年ぶりの敗戦
前戦2022.10.11.から年が明け、ボクシングレッスン【小原佳太の拳闘教室】を行いながら今後について考えていると三迫ジムから2023.4.8.の試合を伝えられました。
ただ、三迫ジムは私が引退するつもりなのを了承していたため試合を受けるか受けないかを私に任せていただけました。
試合がAmazonのPrimeVideoで海外にも配信されると聞いて
・世界に繋がるのか?
3ヵ月練習していなかったので、
・身体は動くのか?
と不安はありましたが試合を受けることにした理由は
・世界へ可能性が少しでもあるならば受けるべき
・今まで応援いただいた多くの方々に見てもらう
のふたつ。
もちろん、対戦相手の佐々木尽選手に勝てると思い試合を受けました。
試合のオファーを受けて3ヶ月練習していない身体が動くかどうかを確かめながら試合に臨んだ2ヶ月、ほぼ毎日練習内容やその日の反省を投稿した記事をマガジンにまとめていますので興味ありましたらご覧ください。
2023.4.8.WBO-APウェルター級タイトルマッチは
王者佐々木尽選手17戦15勝14KO1敗1分21歳
挑戦者小原佳太31戦26勝23KO4敗1分36歳
の15歳差の対決。
試合をした興行はPrime Video Presents Live Boxing 4。
メインイベントにLF級世界タイトル、そして、那須川天心ボクシングデビュー戦が行われ大きく注目される興行でした。
試合が行われたのも有明アリーナと大きい会場ですのでいつもと違う雰囲気がありましたが国内外で試合をしてきた経験から不安はありませんでした。
戦略としては対戦相手佐々木選手の若く勢いのあるスピードと得意の接近戦を警戒していましたが無暗に距離をとりればロープに追われるだけだと思い応戦しながらダメージを与えて倒す作戦でした。
実際に1R目は相手の反応と距離感を確認して後手には回りましたが2R目に自信満々で踏み込んできた攻撃を前で躱しダウンをとりました。
しかし、3Rに警戒していた左ボディを決められダウン。
立ち上がるもボディが効いてフットワークを封じられたところに右ストレートを直撃しKO負け。
この負けはプロデビュー戦2010.8.9.熊野和義さんに負けて以来13年ぶりに日本人に敗戦。
この試合を最後に引退を発表しました。
引退式
最後の試合から10ヶ月後2024.2.13.に引退式を行わせていただきプロボクサーとして13年、高校のボクシング部に入部してから20年続けた現役引退を皆様の前で誓いました。
プロボクサーとして応援していただいた皆様、ボクシングを通して僕に生き方を指導していただいた皆様ありがとうございました。
日本タイトル以上を獲得しなければ行えない後楽園ホールでの引退式を多くの皆様の前で行わせていただき、小原佳太のボクシング人生は幸せでした。
ありがとうございます。
小原佳太の拳闘教室
現在ボクシングレッスン小原佳太の拳闘教室を行いながら、今後は僕が得た知識を多くの方に知ってもらいよりボクシングを楽しく観戦いただき、ボクシングを通して健康に人生を豊かにしていくボクシングジムを建てようと都内で物件を探しています。
一過性の娯楽で終わらないボクシングをより多くの方々が楽しめるよう僕は基礎と透明化に力を入れてまいりますので、今後とも小原佳太の拳闘人生をご覧ください。
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僕の知識がボクシングが好きな人に届きますように。