マガジンのカバー画像

ストーリー

3
頑張って書きました。こんなのがあったらなと思いながら。
運営しているクリエイター

記事一覧

知らないのがいいよ 続

↓ こちらの二つを先に読んでいただけると、嬉しいです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「知らないのがいいよ」 そんななんだかあまりポジティブには思えない言葉が聞こえてきた ふと声がした方向にスマホから目だけを向けると人混みから少し外れた場所にいる恋人らしき二人をまとっている空気がなんだか暗い 今日はイヴでそこら中の歩く人々の顔は浮かれまくってるのにどうしたのかと思った 他人だけれど悲しい場面に遭遇するというのは結構気持ち的に辛い

知らないのがいいよ 裏

先に↓こちらを読んでいただけると分かりやすいと思います。。。 というか読まないと分からないと思います。すみません、、つたない文章ですが読んでいただけると嬉しいです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「知らないのがいいよ」 そう言うと彼は昔のように戸惑った顔をした それを見て数秒してからやっと気づいた そうかまた私はやってしまった 出会った頃の彼にはこんな顔をさせていなかったはずなのに 彼にこんな顔をしてほしいわけではないのに 小さ

知らないのがいいよ

「知らないのがいいよ」 そう言って悲しそうに笑う君にまた何も言えなくなる僕は 無力という言葉がよく似合う人間だ 数年前 街はイルミネーションでやけに明るくて 人が作り出す雑音にまみれる僕はいつもより興奮していた 横を歩く彼女もいつもより明るく見えて 鼻を赤くして吐く息も無意味に輝いて なんだかなんでもできる錯覚を覚えた 赤と緑 何かを連想させるそれを見かけ始め季節というものを実感し 僕も俗に言う幸せを手に入れようと彼女に手を伸ばした 手を伸ばしたお陰で少したった今も手