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森、道、市場

愛知県のフェス「森、道、市場」に初めて行ってきた。

海外アーティストのいないGreenroomから、ラインナップの良さでFFKTに乗り換えたら伸びた緊急事態宣言のために中止になった末にたどり着いた森道。今まで行ったフェスの中でも上位に入るくらいよかった。

「5500円で一日遊べて東京から日帰りできるフェス」の友達の誘いやすさたるや。フジロックは高いし手ぶらでいくには過酷。サマソニは行きやすいけど、コンクリートの照り返しとか帰りの京葉線の激混み具合とか、東京にいることを忘れさせてくれない。森道はすべてがちょうどよかった。朝8時に東京駅に集合してから23時半に終電で東京駅に戻ってくるまで、久しぶりのフェスのワクワク感を終始、修学旅行みたいな雰囲気で友達と分かち合えた。「誰といくか」は、ラインナップと同じくらい大事だと改めて実感。

天気も暑すぎるくらいで、お昼になることにはすでにバテていた。ネバヤン、テンパレイ、カネコアヤノ、ミツメ。誰でも一度は聞いたことあるアーティストがこんなにいるなんて。海外アーティストが来れなくてもこの規模のフェスができることが希望にすら感じる。

トリのネバヤンで友達と踊ってる若い人達は自由で、同じ社会を生きてるはずなのに明日も明後日もああやって踊っているんだろうなとすら思えた。あの瞬間は在宅ワークとかオリンピックとか、日々の生活の純度を下げるものは一つもなかった。

音源通りに歌う気配のないカネコアヤノの堂々としたステージ上のたたずまいには泣きそうになったし、toeの張り詰めた、緊張感のある即興は、見慣れたライブセットをその日だけの特別なものにしてくれる。YouTubeにもSpotifyでもない、展開の読めない有機的なシャフル再生にライブの良さをあらためて実感した。

ロケーションも最高で、お盆におばあちゃん家に帰った時の空のデカさと遊園地の中にステージがある非日常間がとても素敵だった。

以前は、5500円よりも安く、家族連れももっと多かったとか。詳しい経緯はわからないけれど、いつまでも万人に開かれてるフェスであってほしいなと、東京駅が近づくにつれてフェスの格好をした人が少しずつ減っていくのを確かめながら、思った。

来年もぜひ参加したい。

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