#スタートアップの日々 「声で、未来を変える。」

NHKアナウンサーで現在、Voicyでデジタル研修をしている栗原です。
今回は、Voicyの新たなブランドメッセージである「声で、未来を変える。」についてです。
声にまつわる仕事をして12年になります。声にまつわる思いを書いてみます。

声にコンプレックスがあった

元々僕自身は、ディレクターになって、取材したりロケをしたり番組作りをしてみたくてテレビの仕事を志望しました。もう10年以上前の学生の頃のことです。漠然としたやつです。大学院で砂漠化や農地の乾燥化などの研究をしていたので、そういうテーマでドキュメンタリーを作ってみたいなと。
ただ、採用のプロセスの中で、なぜだか「栗原くん、とりあえずアナウンサーで」という空気の中で、アナウンサーとして採用されました。
詳しくはこちらの記事にも書いています。

で、入局当時は本当にニュースも中継も本当に苦手で。当時沖縄で担当していたのは、夕方のニュース番組の中継コーナーのアシスタント。
ゴーヤーチャンプルーの作り方とか、首里城の散策ツアーの紹介とかからキャリアを始めたのですが、とにかく下手くそで、よく怒られてました。
ニュースを読んでは声が震えちゃって。だから、どうしても自分の声が好きになれなくて、周りのように綺麗に発音したりできなくて悩んでましたね。
先輩のニュースのシャドーイングみたいなこともやってましたけど、職種への戸惑いもあったりしたことから、声に関するコンプレックスは割と最近まで、というか今もモサモサしててやだなと思うことはあります。

声との出会い

元々取材をしたり、ロケをしたり、インタビューしてみたかったのも半分あるんですが、自分なりに声に説得力を持ちたいという思いで、たくさん取材に出かけていました。

それが「声」のパワーを知った原点でもあります。
戦争体験を語るおじいの声に。伝統工芸に人生をかける職人の声に。
災害で傷ついた人の声に。外国人労働者の声に。民主主義を叫ぶ声に。
僕らは、そういう声の価値を信じて、伝えてきました。

そういう声を聞くと、心が動きます。
その心の動きが声となって、聞く人の鼓膜を揺さぶっている。
極めてアナログな話ですが、空気の振動で直接的に働きかけてるんですよね。
だんだんそういう考えになってきたんです。

たくさん話を聞けば聞くほど、僕自信が声に自信がないとか言ってられないなと思うようになっていきました。
「あの時出会った声が本物だとすれば、そのことを伝える自分の声にもきっと価値はあるはずだ」と。
相変わらずもさっとした声なんですけどね。

声にできること、ってなんだ

そのことに気付かされたのがラジオのパーソナリティの経験でした。
声だけの世界。
寄せられたメッセージは、その人が振り絞った声なんですよね。
不思議なことにそうした声を紹介すると、
「自分は一人じゃない」と思ってくれる人が増えていきました。

この「ひとりじゃない」と思わせる力が、
声ができることなんじゃないかと思っています。

声の力で、「ひとりぼっちにしない」。

今回研修先のVoicyが発した新たなメッセージ「声で、未来を変える」に合わせて社員全員で、自分の思う「声で、未来を変える」をスマホを片手に吹き込んだんです。僕も仲間に入れてもらいました。
それがこちら。https://voicy.jp/channel/3056/354108



Voicyメンバーの声も素敵なので聞いてみてください。
僕自身は研修中であろうとなかろうと、声の力を信じて、孤独や分断に対して「あいだをつなぐ」ような働きができたらと願っています。