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レゲエ聴くなら!名曲セレクト10選!

1.ボブ・マーリー 「バビロン・バイ・バス」

レゲエを聴こうとして、ボブ・マーリー聴かない人はまずいないでしょう。どのアルバム、どの曲もいいのですが、初めはライブ盤のこれをオススメします。1978年の作品。

理由は、最盛期のボブ・マーリーの熱気が伝わってくるし、選曲も有名どころばかりだから。

これで好きになったら、次はキャッチ・ア・ファイアとバーニンのアイランド1st、2ndを聴いてみるといいと思います。


2.ウィリー・ウィリアムス 「アルマゲドン・タイム」

1979年。クラッシュもカバーした曲。この曲の何がいいのか、凄いのか。
太いベース。ワンドロップのドラム。アフタービートをミニマルに刻むギター。アクセントを作るエレピ&キーボード。涼し気に奏でられるトランペット。
聴こえてくる楽器の位置がフワフワ。ミュージシャンのエゴが全く感じられないのが、この曲。カンディンスキーの抽象画を思い浮かべます。

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3.トゥーツ&メイタルズ「プレジャー・ドロップ」

1973年。ルーツ・レゲエで最も過小評価されているミュージシャンだと思います。曲のクオリティでいえば、決してボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズに引けを取りません。

アメリカのポピュラーミュージック音楽誌「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー」において71位にランクインしており、日本でもルーツ・レゲエファンには知られているものの、普段聴かない人は全く知らないと思います。

スウィート・アンド・ダンディ、モンキーマン、ファンキー・キングストンといった70年前後のアルバムは、名曲揃いで、どれも外れなし。安心のトゥーツ銘柄です。レゲエ・コーナーで迷ったらトゥーツを選べ!と言っておきます。

モンキーマン、ファンキー・キングストンの全曲推げたいところ。今エイヤで一つ選べば、なんとなく「プレジャー・ドロップ」です!この人の曲は、どれも歌う喜びが爆発しています!

残念なことに2020年にコロナ合併症で亡くなられたとのことです。ご冥福をお祈り致します。

4.ジミー・クリフ 「ユー・キャン・ゲット・イット・イフ・ユー・リアリー・ウォント」

1972年。レゲエを世界に知らしめた映画「ザ・ハーダー・ゼイ・カム」の主演を演じたジミー・クリフです。ボブ・マーリーの次に有名なレゲエ・シンガーでしょう。

ポジティブ全開な人で、トゥーツと同じく、ゴスペルの影響を感じるシンガーです。「本当に願えば、夢は叶うんだ!諦めるな!」
トゥーツが低めでドスの効いたバリトンヴォイスとは対照的に、良く伸びるソプラノで、爽やかに歌い上げます。実際にシンガーとして一旗揚げて、フロリダに豪邸を持っている立志伝中の人物です!

Jimmy Cliff“You Can Get It If You Really Want”


5.バーニング・スピア 「マーカス・ガーベイ」

1970作。レゲエを生んだ思想、ラスタファリアニズム運動で崇められていたマーカス・ガーベイを歌った曲です。 実業家だった彼は黒人民族運動とアフリカ回帰を唱え、ジャマイカの紙幣にも採用されました。ジャマイカの渋沢栄一ですね!

イントロでの銃声のようなスネアの連打で引き込まれます。
ラスタは、それまでプロテスタント信仰が盛んだったジャマイカで、自分たちのアイデンティティをエチオピア皇帝に見出そうという運動で、ジャマイカ黒人の精神的自立運動でした。

ジャマイカ音楽にしては珍しくルーズさを感じさせず、覚醒を促す名曲です。

Burning Spear - Marcus Garvey - 01 - Marcus Garvey


6.ウェイリング・ソウルズ「ブレダ・グラバリシャス」

1977年作。グラミー賞に三度ノミネートされた実力派です。
ケテ・ドラム(ナイヤビンギ)のパーカッションで始まり、サビもキャッチー。やっぱりパーカッションが入ると音に温かみ、丸味、深みが出ます。リンクしたヴァージョンはダブ処理も秀逸。

Wailing Souls - Bredda Gravalicious


7.マトゥンビ「エンパイア・ロード」

今まではすべてジャマイカのバンドでしたが、このバンドはイギリスです。
イギリスだと他にはバーミンガムのスティール・パルスなどが有名です。
イギリスっぽいな!と思うのは、ボブ・ディランの「マン・イン・ミー」をカバーしてたりするところ。

また、エリック・クラプトンによる人種差別が引き金になった「ロック・アゲインスト・レイシズム(RAR)」運動のライブを初めて行った伝説的なバンドです。

ロック・アゲインスト・レイシズムは、1976年から1981年まで続き、クラッシュ、デルタ5、ラッツ、ギャング・オブ・フォー、オー・ペアーズ、スペシャルズ、アスワド、ピート・タウンゼント(ザ・フ-)といったレゲエからパンク/ポスト・パンク~ロックを横断する広範なムーブメントとなりました。

MATUMBI Empire Road (Revolver 1978)


8.リントン・クエシ・ジョンソン 「イングラン・イズ・ア・ビッチ」

アルバム「ベース・カルチャー」1980年作に収録の一曲。ダブ・ポエトリーという前人未踏の分野を開拓した詩人。ダブ(レゲエのヴォーカルを抜いた物)に、詩の朗読を被せるというスタイル。

でも、彼のスタイルを継ぐ人は聞いたことがありません。ヒップホップだと、スポークン・ワードとしてラスト・ポエッツ~ギル・スコット・ヘロンのラインがありますが、ダブ・ポエトリーは彼が作って彼で終わるかもしれません…。

この曲は、当時のイギリスで伸長していた極右とその支持層による移民迫害に抗議の声を上げた曲です。ダブの効いたソリッド&タイトなトラックに、LKGの静かな怒りが流れる名曲です。

Linton Kwesi Johnson - Inglan Is a Bitch


ところで、マトゥンビとリントン・クエシ・ジョンソンをプロデュースしたのが、同一人物でデニス・ボーヴェルという人でした。

この人は、UKレゲエ最重要人物で、ポスト・パンクのザ・ポップ・グループ、ザ・スリッツ、マッドネスのプロデュースも手掛けています。
ポップ寄りでは、ジャネット・ケイ、バナナラマやトンプソン・ツインズも彼と一緒に仕事をしました。ジャネット・ケイの「シリー・ゲームス」はUKチャート2位の大ヒットとなりました。

日本人の関心を特に惹くのは、「B-2ユニット」でしょう。そう、坂本龍一がソロミュージシャンとして二枚目に出したアルバムです。このアルバムにエンジニアとして携わったのがデニス・ボーヴェル。ダブの手法が全面に駆使されています。

なんでもビッグ・オーディオ・ダイナマイト(クラッシュにいたミック・ジョーンズのバンド)のドン・レッツを通じて、坂本がデニスに依頼したそうです。

このアルバムに収められている「ライオット・イン・ラゴス」は、YMОでもよく演奏されていた曲。XTCのアンディ・パートリッジがギターで参加するという、ドリームチームで作られました。

細野晴臣がこの曲を聴いて、当時次のアルバムのために録音してあった音源を一から録り直した、という話があります。


9.ミュート・ビート「ビート・アウェイ」」

1987年。日本のダブ・バンドの先駆者がミュート・ビートです。スカパラとミュート・ビートが、ジャマイカ音楽を日本人に紹介した2大バンドでしょうね。一方はスカ、他方はダブというフィールドで。
名盤「フラワー」から特にレゲエ/ダブ感の強い曲を選んでみました。

Mute Beat 「BEAT AWAY」


10.フィッシュマンズ「いかれたBABY」

日本が誇るダブ・バンド、フィッシュマンズ。
1993年の「ネオ・ヤンキース・ホリデイ」から「いかれたBABY」を選んでみました。

このアルバムからエンジニアにzaK氏を起用して、のちの傑作に結実します。「いかれたベイベー」は、名盤「空中キャンプ」に直結する曲だと思います。


さて、以上10選長くなりましたが、レゲエ鑑賞の手引きになったら嬉しいです!

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