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CSをプロフェッショナルサービスとするための方法

企業の課題をカスタマーサクセス起点で滑らかにするSuccess Goal Lab.代表の大竹健斗です。

大企業・ベンチャーでの営業、PM、CS、経営の経験を基に、事業や組織でよくある課題とその解決方法についてnoteで発信しています。


1.カスタマーサクセスを有償で提供するための2つの型

顧客の成功を追求するために、カスタマーサクセス(CS)は有償のサービスを提供することがあります。2つとも、顧客の課題やニーズに合わせたサービスを提供し、目標の達成や課題解決に向けて協力します。

ここでは、CSが有償で提供するための2つの主要な型について説明します。

定期モニタリング型(業務代行、レポート作成、定例会進行)

定期モニタリング型のサービスは、定期的な業務代行、レポート作成、定例会進行などが含まれます。顧客のビジネスにおける進捗状況や課題をモニタリングし、それに基づいて伴奏支援を行います。

この型のサービスは通常、工数ベースで金額を設定します。
定期的なモニタリングを通じて、プロダクトを使用する過程で生まれている効果や課題を分析して、改善策を提案します。自社のもっているデータと経験から、戦略設計や実行支援を顧客と一緒にアップデートしながら作り上げていきます。

例えば、業務代行では定期的な管理画面の更新や情報更新などが該当します。
プロダクト使用で発生する細かな定例業務を行うだけでも顧客の工数削減になり、利用時間・継続利用率が高まります。このように、顧客は意思決定を行うだけでプロジェクトが進行するよう支援を行うことで、顧客は有償である価値が感じられます。

プロジェクト型(コンサルティング、受託開発、調査分析)

プロジェクト型のサービスは、コンサルティング、受託開発、調査分析などが含まれます。顧客の特定の課題に対して、プロジェクトとして取り組み、解決策を提供します。

この型のサービスは課題の大きさやプロジェクトの規模に応じて金額を設定します。
例えば、既存サービスでカスタマーサクセス部門を展開したい時にコンサルティングをしたり、オペレーションの設計や業務効率化を行ったりします。戦略を立てる際には競合企業の分析などが必要になるため、この部分を有償で提供します。

例えば、顧客がすぐに使用できる状態になるよう、プロダクトを使用するために必要なデータ構築を行うのも良いでしょう。マニュアルなど代行作成したり、分析結果を提案するだけでなく、業務にすぐ活かせる状態にすることで初回使用の躓きも減り効果的です。

プロジェクト型のサービスは、顧客の課題の大きさやプロジェクトの規模に応じて柔軟に設計されます。

2.カスタマーサクセスを有償で提供する方法

カスタマーサクセスを有償で提供するためには、適切な方法とアプローチが必要です。以下では、それぞれの型に焦点を当て、具体的な提供方法について説明します。

モニタリング型の有償サービスの提供方法は、労働生産性を意識する

カスタマーサクセスのモニタリング型サービスを有償で提供する際には、労働生産性を意識する必要があります。効率的な業務プロセスやツールの活用、顧客とのコミュニケーションの最適化など、労働力が効率的に動き、サービスに対する付加価値を求められます。

顧客のニーズを的確に把握し、効果的なモニタリングとサポートを行うことで、顧客満足度の向上と収益の拡大に貢献します。

CSではモニタリングを通して先回りし、能動的なアクションを取る必要があります。
例えば、日頃のモニタリングからログイン率・利用率が低下している場合、顧客がサービスをうまく活用ができていないことがわかります。判明した段階でこちらから顧客フォローに入りヒアリングと提案をする必要があります。こちらから行動をすることで、顧客側の潜在的な悩み・不安が素早く解消でき、労働生産性が上がります。

プロジェクト型の有償サービスの提供方法は課題の大きさを意識する

プロジェクト型の有償サービスを提供する場合には、課題の大きさを意識した提案が重要です。顧客の抱える課題や目標を正確に把握し、それに対する最適なソリューションを提供します。

具体的なプロジェクトのスコープや目標を明確に定義し、実現可能なタイムラインと予算を提示します。顧客との協力体制を築きながら、成功に向けたプロジェクトを推進します。

例えば、顧客の部門の価値を上げるため、プロダクト導入によりどれくらい効果があったのかを社内報告する必要があります。ここでのレポートや、社内広報へのPR分も代理で作成し顧客が社内で成果を認められれば、一貫して部門全体の課題が解決されコンサルティングへの費用対効果が高いと言えるでしょう。

データ分析や市場調査などを行った、その先の問題解決まで一緒に奔走することも重要です。

CS主導で営業資料作成や営業指導も行う

カスタマーサクセスが有償サービスを提供するためには、CSチームが主導で営業資料作成や営業指導を行うことが重要です。CSの専門知識や顧客の成功事例を反映した営業資料を作成し、顧客に対して付加価値を提供します。

これは顧客からの一次情報が取れるCSの強みであり、プロダクト使用中に収集できたデータは営業の時点では気づけない顧客のニーズです。そのため、潜在的なニーズを理解し先回りした提案をすることで、営業部門の成果も上がるのです。

また、営業担当者への適切な指導やトレーニングを行い、サービス価値を的確に伝える能力を向上させます。CSチームの積極的な営業支援は、顧客獲得やサービスの拡大につながります。

3.カスタマーサクセスを有償で提供することによるメリット

カスタマーサクセスを有償で提供することには、以下のようなメリットがあります。

CSが自社の強みの一つとして語られるのでCSのプレゼンスが上がる

カスタマーサクセスを有償で提供することによるメリットの一つは、CSが自社の強みとして語られるようになることです。

顧客に対する積極的なモニタリングやプロジェクト型のサポートにより、顧客満足度や成果を向上させることができます。これにより、CSのプレゼンスが向上し、他社との差別化が図れます。顧客からの信頼と評価が高まることで、新規顧客の獲得や既存顧客の維持につながります。

信頼関係を築き上げるには、顧客と同じ目線で奔走しビジネスを作り上げることです。
迅速な対応で不安を解決し、根拠のある提案をして数字を上げれば、製品・会社の評価が高くなります。結果として会社の知名度も高くなり、その役割を担ったCS部門に注目が集まるのです。

CSの説明が経営陣に伝わりやすくなり、採用などの意思決定がラクになる

カスタマーサクセスを有償で提供することによるメリットの一つは、CSの説明が経営陣に伝わりやすくなることです。有償のサービス提供により、CSの成果や付加価値が具体的な数字や事例として示されます。

経営陣は、顧客満足度の向上や収益への貢献といった具体的な成果を把握しやすくなります。これにより、CSの活動に対する支持や投資決定が容易になり、採用や予算配分などの意思決定がスムーズに行われます。

社内で組織を大きくしたい、部門を存続させたい場合、成果物と根拠のある提案が必要です。そのためには有償サービスを提供し、部門単体で売り上げを作ることをおすすめします。

シンプルに売上が上がる

カスタマーサクセスを有償で提供することによるメリットの一つは、シンプルに売上が上がることです。有償のサービス提供により、新たな収益源を創出することができます。顧客の成功や課題解決に向けたサポートが付加価値として提供されることで、顧客からも有償であることが納得してもらえるのです。

また、有償サービスを提供することにより、責任と裁量が増え従業員のモチベーションも上がります。高いパフォーマンスを出すことは顧客満足度向上にも繋がります。

顧客満足度の向上や口コミの広がりにより、新規顧客の獲得や既存顧客のリピート利用が増加します。これによって売上の拡大が期待できます。

本記事のまとめと当社のサービスについて

以上が「CSをプロフェッショナルサービスとするための方法」の解説です。
最後に、当社のサービスについて触れておきたいと思います。私たちはカスタマーサクセスを起点とした事業開発・組織開発を行っています。経験に基づく独自フレームワークの提供、個人ではなくプロCSチームの提供、従業員の卒業支援制度を独自の強みとしています。お困りの際は気軽にご連絡ください!

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