腰痛に対して病院でできること⑤

前回の記事の続き

現役整形外科医による腰痛に対して病院でできることを書いている記事です。

まずは安静

一番重要なのは安静にして腫れがあるようならば冷やすことです。

それをお勧めしたうえで病院での治療法の選択肢として

①注射

②飲み薬

③外用薬(例:湿布、塗り薬)

④リハビリ(運動療法)

⑤サポーター

の5つの選択肢があります。


まず原因がわからない腰痛の場合、多くのケースが1か月程度で自然と痛みが軽快します。

そのため

今ある痛みをできる限り抑えながら様子を見ることが一般的な治療法になります。

注:様子を見ていくうちに痛みが悪化するような感じがあったり、ほかの症状(足のしびれなど)を伴うようなら精密検査が必要になる場合もあります。

痛み止めとして最も効果が高いのは薬になります。

薬といってもいくつか種類があります。

大きく分けると

注射、鎮痛薬(飲み薬、座薬)、外用薬(湿布、塗り薬)の3種類になります。

痛み止めの使い方は先生によってかなり違いが出ますが私の場合は

痛みが強く日常生活でも困ってしまう(仕事を休まなければいけない、歩くのも大変)であれば注射や鎮痛薬をおすすめ。

そこまでの症状でなければ外用薬(湿布、塗り薬)をおすすめします。

注:まず上の基準でお勧めしますが、話をしている間に痛みが強い人でも湿布のみを希望すれば湿布のみ出すこともありますし、痛みが比較的弱い人でも以前に飲み薬が良く効いて、副作用もなかったと話があれば飲み薬を出すこともあります

それぞれの方法の特徴としては

①注射

薬剤を痛みが出ている部位に直接注入することになります。一般的に効果は高いですが病院の中でしかできません。痛みが出た直後にはあまりやりません。その他の方法(内服薬、外用薬)が効かないで痛みが慢性化してしまった人におすすめの方法になります。効果にはばらつきがあり、一度の注射で効果を実感しなくても繰り返すと効果が出る方もいます。薬剤が入っているためアレルギー反応などの副作用が起こる可能性はあります。

メリット

薬剤を痛みが出ている部位に直接入れる処置になり高い鎮痛作用が見込まれます。

薬剤は全身には作用しないため局所以外の副作用は少ないです

デメリット

×病院の中でしかできません。

×薬剤を使用するためアレルギーが出る場合があります。

×効果にはばらつきがあります。

②内服薬

口から薬剤を内服して薬剤を体内に吸収させて全身に作用させながら痛みを軽減させます。効果は高く効果のばらつきも小さいですが、全身への副作用があります。

メリット

高い鎮痛作用が見込まれます

一度処方箋をもらえば自宅で簡単に内服を継続できます

デメリット

×すべての薬剤に副作用があります。


注射、内服薬ともに鎮痛作用としては強いですが副作用があります。副作用の内容をよく聞いてそれでも痛みを抑えたいくらい痛みが強いときのみの内服をお勧めします。痛みが強くない場合はまず違う方法を試してみてから効かない場合に使用してもいいと思います。


③外用薬

湿布、塗り薬で薬剤を肌から浸透させて痛みをとる方法になります。自宅でも継続可能ですが、内服薬、注射と比較したら効果は低いです。薬剤は局所に効くため全身への副作用は少ないです。湿布は肌がかぶれることがあります。その際には塗り薬使用をお勧めしています。そのほかにも背中には湿布が貼ることが困難な方には塗り薬をお勧めすることがあります。

メリット

一度処方箋をもらえば自宅で簡単に内服を継続できます

デメリット

×肌がかぶれる、かゆくなるなど一時的な副作用があります。


この先はまた後日書きます






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