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”美容師の逆境”を乗り越えた私だからこそ伝えられること

井上 ゆかり:美容師歴16年、フリーランス美容師歴8年。山野美容芸術短期大学出身。”美容師になる夢”を親族からバッシングされるも、反対を押し切って実現。某表参道のサロンに8年間従事。今回は、わたしの信念と反骨心をお届けします。

プロフィール

夢を叶えるまでの信念と反骨心

幼い頃、問答無用でボブかショートカットにされていました。

母には「自分で結べるなら伸ばしてもいいよ」と言われ育ったので、年長の頃には、自分で髪を結べるように。

小学生だった頃には、よく友達に三つ編みをしてあげていました。

楽しそうにする姿をみて、祖母は「ゆかりは手先が器用だし、美容師さんになってみたらどう?」と言ってくれたのです。

何気ない一言でしたが、この言葉をきっかけに「美容師」を志すようになりました。

小さい頃から、ものづくりが好きでした。

いくつになっても「クリエイティブな仕事がしたい」という想いはなくならなかったので、本格的に美容師になることを決意。

しかし、ここから試練がはじまります。

「美容学校に行きたい」と相談すると、大卒しかいないお堅い家系だったこともあり、親族全員からバッシングを食らいました。

勉強はできたので、わたしも進学校に合格。ただ、成績を上げると期待されてしまうばかり。

なので、高校生になってからは、わざと勉強を放棄しました(笑)。

「ダメだ」と止められると、つい体が動いてしまう、典型的なあまのじゃく。

美容師の夢を諦めたくなかったので、反対を押し切り、山野美容芸術短期大学に進学しました。

この学校を選んだ理由をよく聞かれます。両親から「せめて短大には通ってくれ」と懇願されたので、短大に進学することにしたのです。

たくさん学べても、結局は”分業制”のむずかしさ

トータルビューティー科に入学。ヘアメイク・メイク・ネイル・スキンケア・着つけなど、美容関する内容を余すところなく学べました。

美容を包括的に学びたかったわたしにとっては、贅沢な環境でしたね。

ただ、就活時にあることに気づいたのです━━いくら学校で広範囲で学べたとしても、いざ働くとなると”分業制”であるということ。

ヘアなら美容師、メイクであれば美容部員。撮影などのヘアメイクは、師匠を探して師事が常套句。

すべてを融合した働き方はできなかったのです。

井上さん施術部屋(サロンビレッジ内)

それでもわたしは、”トータルビューティー”を諦めたくはありませんでした。

短大時代、ヘアメイクのアルバイトでとあるご縁があり、よく学校をサボって、撮影アシスタントをしていました。卒業後も続けたかったくらい、魅了されましたね。

とはいえ、せっかく国家資格を取得したので、まずは王道ルートを歩もうと思い、美容室に就職。

相変わらず、お堅い両親との折り合いはつきませんでした……。

「短大を卒業したら、大学へ行く道もあるのよ」と助言をもらうも、就職や引っ越し先など、すべて自分で決断しました。

自由奔放に生きていたので、両親にも呆れられました。しまいには、「私たちは死んだと思ってください」という手紙が届いたのです(笑)。

そんな手紙を送ってきた母ですが、やはり心配だったのでしょう。わたしが働くサロンに、わざわざ来てくれました。

今となっては、井上家の笑い話です。

トップスタイリストとオーナーチーム。気がつけば8年も経っていた

「激戦区のサロンで学びたい」という想いが強く、第一志望だった、某表参道のサロンに就職しました。

両親から「そんなに美容師をやりたいのなら、有名サロンに就職して1番になりなさい」と言われたことを、忘れずにいたのだと思います。

下積み生活は……めちゃくちゃ壮絶でした。

電気とガスは何回か止まっています。境遇が近い友人と住んでいたので、サバイバル感覚があって、まあまあ楽しめました(笑)。

最初の目標は、1番にデビューすること。

最短でデビューするには、”トップの近くで学ぶ”が最適だと思い、オーナーのいる店舗に、自ら働きにいきました。その後、トップチームに配属されています。

1年目のアシスタント時代から、サロンの”マネジメント”も学ばなければいけませんでした。

ミーティング漬けの毎日。地方転勤。街で直接営業する日々。もはや美容師なのか営業マンなのか……。

予定がぎゅうぎゅうに詰まっている平日だったので、練習時間が足りません。

なにがなんでも最短でデビューしたかったので、営業中、先輩の技術をみて習得。もちろん、休日も捧げて練習しました。

結果的には、努力が功をなし、最短でスタイリストに。

平均睡眠時間は4時間。そんな生活が、気づいたら8年も経っていたのです。

成果は認められていました。

ただ、「トータルビューティーを勉強したい」という信念を貫きたかったので、将来を見据えて、退職を決意しました。

フリーランス美容師に転身して、暗黙のルールから抜け出せた

美容室の在り方に、思うところがたくさんありました。

理想を少しずつ叶えるために、友達が経営する美容室の、一部を借りて再スタート。

美容師とは別に、元々お世話になっていたヘアメイクの師匠の撮影にも、アシスタントとして同行。貴重な経験でしたね。

そして、ヘッドスパの技術も磨きたかったので、資格「脳洗浄®」を習得。

美容室・ヘッドスパ・エステを融合させた、”トータルビューティー”を実現させたかったのです。

ずっとやりたかったことを、愚直にやり続けました。

独立して7年目にさしかかった頃、シェアサロン『サロンビレッジ』に出会います。

これまでの美容師生活がいっぺん。あらゆる“暗黙のルール”から抜け出せたのです。

井上さんの施術部屋

まず、個室専有なので、お客さまとマンツーマンでじっくり向き合えます。ひとりのお客様にじっくり施術したかったわたしには、贅沢な空間です。

サロンビレッジは、”美容師に全うできる環境”なので、働き方やメンタルが、がらっと好転しました。運営の方々には、感謝の気持ちでいっぱいです。

大きなバズを狙うよりも、ずっとずっと大切なこと

過去のわたしのように、しんどい思いをしている人に伝えたいことがあります。

サロン以外の友達をつくったり、コミュニティに足を運んでみてください。

世の中には、いろんな世界が広がっていて、自分次第で解消できることを知れるはずです。

サロンの常識がすべてではありません。客観的にみて「これって、理不尽だったんだ……」と、気づかされることもたくさんあります。

おかしいなと思ったら、ぜひいろんな人に話を聞いてもらってください。

わたしは酸いも甘いも経験しましたが、ハサミを置きたいと思ったことはありませんでした。

「お客さまをきれいにすること」が、心の底からだいすきだからです。

そして、頭の片隅でいいので、覚えていてほしいことがあります──もっと、お客さまとの時間をたのしんでみてください。

情報過多なこの時代に、バズを生めるって本当にすごいことです。

だけど、Instagramの投稿を映えさせるために施術をがんばるのは、本質からズレているなあと思うんです。

集客の手段は”SNS”だけではありません。

お客さまと向き合い、理想をいっしょに叶えることで「あなたにお願いしてよかった」と思ってもらえます。ここから紹介につながって、お客さまが増えていくんです。

大きなバズを狙うよりも、ずっとずっと大切です。

目の前のお客さまと、もっとじっくり向き合ってみませんか?

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取材・文/ヌイ(@nui_nounai

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