年金も貰わずに去った父

僕は父とあまり仲良く無かった。
父は怖い人だった。
背が高く、あまり笑う印象が無い。
孤独を好み、たまに怒る。
なんとなく、無愛想な人だった。

僕は父とあまり仲良く無かった。
浪人もし、留年もし、
ダメ人間だった僕に対して、
ダメ人間だなぁと思っていただろう。
僕が新卒入社した会社が私服勤務と聞いた時、
そんなのは会社じゃ無いと否定された。

僕は父とあまり仲良く無かった。
そんな父は、定年を迎えずに去った。
55歳くらいで癌になった。
既にステージは5で、持って一年。
だがそこから4年弱生き抜いた。
最後は内臓をほぼ摘出して、
ガリガリになっていた。
そして、限界はやってきた。
……。

僕は大人になった今でも、
心のどこかで父を否定して生きている。
孤独を嫌い、笑い、愛想を振り撒いている。
そして、家庭を持つことに恐怖を覚えて生きている。
父が亡くなることで、
父に対する想いは変わると思っていた。
なのに未だに変わらずに恐れている。

ああ、最低なnoteを書いてしまった。

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