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締約国会議2日目ルポ(11月28日)

こんにちは!こんばんは!
連日、核兵器禁止条約の第2回締約国会議の要約を皆さんにお伝えしておりますが、会議2日目となった28日の午前は、前日に引き続き核兵器の非人道性についてのパネルディスカッションの第2部が行われました。テーマは「核兵器禁止のための新しい政策や研究」です。

1人目は科学諮問委員会のメンバー、モリッツ・カットさんから効果的な核兵器の管理方法についてのプレゼンテーションがありました。要点は主に3つ。一つ目は核兵器の数、威力に注目することは核抑止論の枠組みを使わない限り必要でないため、他の項目の検証をすることが大切であることについて。二つ目は一点目をふまえ、核廃棄の検証は多面的な観点からの検証(核燃料サイクル、部品の製造、兵器化、使用インフラ、運搬システム等)が必要であるということです。最後に、効果的な核兵器管理を行うためにこれから必要な研究分野(核兵器製造プログラムの定義、核兵器を保持していないことを証明する方法、転用された兵器製造・保持施設について)が挙げられました。

2人目は、赤十字国際委員会(ICRC)のリチャード・ルネーンサンさんからの発表がありました。

3人目に広島県知事、湯崎英彦さんが、核兵器と核抑止論では平和を実現することは決してできないと発言。核兵器をSDGsの持続可能性に結び付けて考える必要があること、自国の核政策をバラバラに論じるのではなく、今後は国際的な対話の末に一緒に平和な未来を築く必要があると述べました。その一環として広島県が新しく提案する、国際的に持続性と非核を話し合う「Group of friends of nuclear disarmament and sustainability」(仮名)を紹介しました。

4人目は被爆2世である、カリナ・レスターさんによるオーストラリア先住民への核実験の影響に関する発表が行われました。父親が核実験の影響で視力を失い、他の先住民もがんをはじめとする健康問題を抱えていること、そして健康被害と同等に先住民の文化や社会的発展へも悪影響があることに言及しました。そしてそれらの核実験による被害を実際に受けている先住民への視点が欠けているため、今後は先住民の代表が話し合いに参加できるようになることを望んでいるとのことでした。

最後にキリバス政府観光局のエレッティ・テカバイアさんからクリスマス島でのイギリスとアメリカの核実験被害についてのプレゼンテーションがありました。彼女はクリスマス島での核実験がそもそも知られていないこと、核実験の影響に関する研究が不足していること、そしてこれらの核実験の被害を受けている人の声が国際的な政策決定の場に必要不可欠である事を訴えました。

南アフリカやマレーシアからは質疑応答の時間に「核兵器の戦略的側面から非人道性へどうすればフォーカスを変えることができるのか」「TPNWの価値観や規範をどのように広めていくことが最も効果的か」という質問が挙がりました。

午後から各国の一般討論演説が始まり、こちらのリストに見られる順番でスピーチが行われます。


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