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短歌短歌

はちゃめちゃな 文字の羅列のお遊びに 意味を求める あなたが愛しい 別にいい 「何か感じて!」 その意気に 投げやりな自慰 陰鬱な森

    • 懺悔室Q&A

      或る懺悔室にて 10代未満、性別不詳 Q.神はどこにいるのでしょうか。宇宙のどこかですか? A.聖人Bの回答 神は この世のどこかにいるのです。 多分。 どこかではなく、この世そのものかもしれませんね。 それに、神は心にいるのかもしれません。 心がどこにあるか分からないから、 結局神もどこにいるのかはっきり分かりません。 神は心で心は神でそれが世の中なのかもね。 心は内なる宇宙です。広がる世界は無限で無限なのです。 だから宇宙にいるってのもあながち間違ってないかも。 ・

      • 肌色の声が木霊す脳内に 私の微熱はあるのでしょうか だみ声で母の名を呼ぶ小猫だけ 生き物がいる国道の脇

        • 未来視

          「視界と世界」 この世はね、あなたのピントを中心に回ってる。 すべての道は、ローマでも日本橋でもなく、あなたに繋がっている。 伴侶も我が子も肉親も、あなたを中心に回っている。 実寸大の地球儀の上で、生きるあなたの現在地。それが世界の中心地。 数えきれない世界の中心。 「冷ための未来」 合理化に温もりと真心はなくなって たまに会うおばあちゃんとの時間にコスパは存在しなくて 冷えたオムライスを温めなくてもいい自分がいて 人の手の中にある真心が美味しくて 貪る

          少年短歌

          お母さん僕は好きだよほんとだよ やっぱダメだ気持ち悪いな 夜外で開けるサイダー 泡泡と見え隠れするつぶつぶの星 急角度この坂道を登ったら 空の彼方への発射台だよ 銀皿の底の僕の表情は 屈折した顔歪んだ叫び 退屈な塾が待ってる帰り道 傘はささないかぜになりたい

          少年短歌

          くすぐる 短歌

          短歌です いくつかの 首筋と 脇腹を急に撫でてみて 反応が無い どうやら死んでる 子犬だね 私の母性に眼で触れる 君は早くに 捨てられて欲しい 君は好きなだけ くすぐり倒して喜んでいる 気安く私に 触らないでよ

          くすぐる 短歌

          光 最終話

          公園でパパっと曲を作るつもりが、気づけば二人で大笑いしながら歌っていた。この少年、驚くほど歌がうまい。 歌詞をなぞるんじゃなく、歌と一緒に踊っているような、愉快な歌い方をする。楽しくて大笑いしてしまう、幸せな歌声。まっすぐな夢と、なんら遜色ない眩しいほどのまっすぐな声。無邪気で無垢な少年の歌。 歌いながら、学校での思い出、好きな人、母親の事、父親の事、すべての思い出を語ってくれた。その時間には、不安のふの字も存在しなかった。 ただただ愉快な時間、少年が歌い語り、シンガー

          光 最終話

          光 第二話

          門のそばの壁に二人でもたれかかる。 「それで、なんで分かったんだ。静かにしてたのにさ」 「お兄さんは、どこか変な雰囲気があるんです。すぐに人がいるって気づきましたよ」 「変な雰囲気って」 「悪い意味じゃないんです。ただ僕にはそれを言い表す言葉が見つからなくて」 悪いやつじゃなさそう。お兄さんって呼んでくれたし。 「それに、僕は弱視だから、ぼんやりと人の影も見えましたよ。大きくてちょっとびっくりしましたけど」 「それは悪いことをした。ギターなんて背負ってると人に鬱陶しがられ

          光 第二話

          光 第一話

          何も浮かばなくなった。何一つ。やっぱり音だけじゃ難しい。伝えたいことが乗せられない。行き詰っていた。ずっと一緒にやってきたバンド仲間と離れてから数年たった今、先に光が見えなくなった。見えるのは後ろにある淡い光だけ。有名バンドの元メンバーというハリボテの冠がついにボロボロと崩れていった。  高輪の少し内に入ったところで、さっきまで一緒に飲んでいた飲み仲間と別れた。多分まだ最終電車はあるだろう。でももうここには長くいられない。 酔いもすぐに覚め、これから当分見ることのない景色

          光 第一話

          生活短歌

          そんなこと 笑い飛ばしてくださいよ あなたと夜と 口が軽くなる つま先と 指の先まで綺麗にして 心も綺麗に 泡沫のわたし 休日の ない月だから突っ伏して 勝手に開く 机上のサーカス 釘付けに されてる僕を見てる僕 消えた画面の 向こうの自分

          生活短歌

          「Dream」短編

          「人間の無駄な動き。合理的ではない動き。など。このロボットは、それらを省いた新たな人工知能であり、あなたを助けてくれるでしょう……」 目の前に映し出されたホログラムの中で喋る小綺麗な老人。そう僕は、AIが載ったロボットを買った。どこから買ったかは言えないように契約されていた。お金だけはたんまりあるから別に手に入りさえすればなんでもいい。 ひとしきり老人のしゃべくりが続いた後、そのロボットの首の後ろに専用の薄いチップを差し込む。ロボットは、中性的な顔立ちと体つきで、一見する

          「Dream」短編

          愛情(?)短歌

          ただの短歌です。 本当に 優しい人などおりません たったの一人も 私以外は 痛いのも つらいも苦いも 胸のなかに 抱きしめるだけ 地球丸ごと 欲のない 慈愛の心の欠片だけ 受け取ってください 名も知らぬあなた 人知れず ぎゅっと優しさ 詰め込んだ ポケットティッシュを タダで受け取れ いつの日も 起こる記憶の端々で 心にこびりつく 甘さでありたい いりません あなたのくれる モノなんて ただにこやかに 受け入れてほしい

          愛情(?)短歌