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『ハズビンホテルへようこそ』面白い!(但し子供と一緒に観れないのが残念)

アマゾンプライム配信の『ハズビンホテル』の面白さは、
①ミュージカル映画レベルの楽曲の数々
②一見無茶苦茶に見えて念入りに趣向を凝らした背景設定
③従来のアメコミ調の単純/3Dな絵とも、日本のアニメ絵の進化系統とも違う(但し、目がうるうるする等、影響は多分にある)、極度にデザイン化され
たキャラクター
にあると思う。

天国や天使が、全く「善」でも「正」でもない描かれ方をしているのも、
現代風で新鮮である。(特に天使の実行部隊のリーダーであるアダム(アダムとイブのアダム)の、恐るべき性格と素行の悪さは、もはやギャグである。)

日本語吹き替えや字幕では、ある程度ソフトな表現に変えられているものの、元の英語版では、5分毎に4文字ワード「Fxxk」や下品語(Shit, dick, asshole等)が飛び交う(歌詞中にも!)セリフも、+16~+18指定アニメである由縁である。エログロ描写も、デザイン的になっていて余り目立たくなっているが、所々あるにはある。

上記を補って余りある、各キャラがその性格、背景、その時の心情を最大限表現し、素晴らしく歌い上げる楽曲が、これまでのミュージカルやディズニーの、あらゆる前例のいいとこどりをした、素晴らしい名曲の数々になっているところが、最大の魅力である。ただし歌詞中にも、4文字ワードや下品な単語が満載の為、子供の前や一緒では、少なくともそのままでは歌えないところが、残念といえば残念である。

ストーリー全体を通してのテーマは、仲間愛、家族愛、勝利を信じ諦めず戦う心、等、至って古典的ないわゆる「明日への希望」的なテーマなので、日本では視聴者ターゲットがはっきりしなかったのか、早々とランキングからは消えてしまった。

個人的には、現実世界でも、混沌と希望が混ざり合う中、アニメが持つデザイン性に満ちたメッセージ力と、そのまま口ずさむのは難しいが素晴らしく美しく元気づけられる楽曲と、個性的なキャラクター・世界観の嗜好溢れる設定の数々は、一見に値する名作であると思う。

このアニメは、子供の為のものではない。但し、このアニメ見た大人は、子供に伝えられる何かを、自分自身で示すべきである。そんな意気込みを感じさせる、アニメだった。アメリカの文化の底力を、同時に見たような気もした。

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