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高1にある人生に一度の応募チャンス!UWCでの国際的な学び

このnoteは、2023年11月6日の Voicy「【教育の明日をよむ】knockout の10分キャッチアップ」の配信内容をもとに作成したものです

今回は、UWC を取り上げます。お伝えしたいことがたくさんありますので、記事も2回に分かれて更新します。


UWCとは?

UWC は国際感覚豊かな人材の養成を目的とした国際的な民間教育機関の略称です。正式な名称を United World Colleges と言います。

各国から選抜・派遣された高校生を世界各地にあるカレッジ(学校)で受入れ、2年間にわたって教育を行うプロジェクトとなっています。

日本もこのプロジェクトに参加しており、経団連が高校生向けの海外派遣事業として奨学金付きで取り組んでいます。

▼ 公益社団法人 ユナイテッド・ワールド・カレッジ(UWC)日本協会
https://www.keidanren.or.jp/japanese/profile/UWC/index.html


UWC と国際バカロレアの共通点

現在、受け入れカレッジは 世界各地に18校あります。

1番最初にできたカレッジは、1962年に開校したイギリス校(UWC Atlantic College)。その後、続々と増えていまして、現在全18校となっています。

日本にもあります。軽井沢にある UWC ISAK JAPAN(ユナイテッド・ワールド・カレッジ ISAK ジャパン)です。元々は普通のインターナショナルスクールだったのですが、2017年に UWC に加盟しました。

先述のように生徒を2年間受け入れる教育プロジェクトになっているのですが、カリキュラムは、国際標準カリキュラムの1つである国際バカロレア(IB)の高校生過程である IBDP(International Baccalaureate Diploma Programme)を採用しています。

IB は地球市民の育成という高い理念を掲げているカリキュラムです。 UWC も国の壁や人種の壁を越えて多様な生徒を集め、国際感覚豊かな人材を育成することを目的としています。理念的にとても近いことが IB を採用しているひとつの理由だと推察しています。

もうひとつ、IB のカリキュラムで重視している「社会への奉仕活動」。こちらも UWC との共通性があると感じます。全寮制のボーディングスクールとなっている UWC の各カレッジは、各国の自然豊かな場所に立地しています。そこで地域に密着した社会福祉を体験したり、海洋生物や森林整備の活動に携わったりしながら幅広く教養を学んでいます。

様々な国から集まった多様な仲間と一緒に協働作業を行うことで国際的な協力の精神を養う。そうした目的を実現するには、本当に世界最高レベルであり、理想的な環境ではないかと思います。


人生一度の応募チャンス

この経団連が派遣する UWC プロジェクトは、毎年この時期、秋から冬にかけて生徒募集があり、翌年の夏からそれぞれのカレッジに入学するタイムスケジュールになっています。

▼ 2024年度派遣 UWC 奨学生について(UWC 日本協会)
https://www.keidanren.or.jp/japanese/profile/UWC/invitation2024.html

そして大事なことなのですが、この募集、人生において応募できるチャンスは1回限りです。 高校1年生の秋~冬、ここでしか応募ができないんです。ですので、ちょっとでも興味がありましたら、秋のはじめにある説明会に参加されることを強くおすすめします(今年は残念ながらもう終わってしまいました)


気になる費用の話

「そんな素晴らしい教育環境だったら、お高いんでしょう?」
そう思われる方も多いのではないかと思います。実際、高いです。

高いと言いますか、ピンキリなんです。2年間そうした教育を受け、自己負担額が0円の生徒もいれば1500万になる生徒もいるのです。

「なんでそんなことになっているの?」と不思議に思いますよね。
そのカラクリを簡単にご説明します。

まず大前提として、世界各国にカレッジがありますので、それぞれの国によって物価や為替が違います。その影響により、授業料や寮費もある一定の範囲内で高いところもあれば低いところもあります。

その上で、大きく分けて3種類の金銭支援プログラムがあります。

まず1つめが、日本協会からの奨学金です。UWC 日本協会から奨学金が支援されるカレッジがあります。

2つめが、各カレッジ独自の奨学金です。これは決まった金額が支援されるというよりは、派遣の決まった生徒がどういった経済状況にあるのかをカレッジが審査し、その生徒に必要な金額だけ支援をするものになります。

なお、カレッジによっては、あるいは年によっては、1つめの日本協会からの奨学金と2つめの各カレッジ独自の奨学金の組み合わせ支援となるパターンもあります。

お金持ちのご家庭の生徒だったら、あまり(あるいはまったく)支援をもらえませんし、厳しいご家庭の生徒であればかなりの支援をもらえる奨学金制度になっています。いわゆるニードベース型の奨学金ですね。

そして最後の3つめは、日本協会特別支援奨学金です。これは外資系企業であるゴールドマンサックス社の支援により、一定の条件を満たした派遣生を対象に全額ゴールドマンサックス社が負担してくれる枠です。 今年であれば、それが2枠あります。

条件は世帯収入が500万円以下、そして、本人と保護者の資産が2000万円未満。この条件に当てはまる応募者はこの枠を狙ってみるのはおすすめです。倍率的にもかなり狙いやすくなってます。


募集枠数と倍率

「じゃあ、どれくらいの募集枠があるの?」というところに話を移していきます。結論から言うと、年によってまちまちです。

過去10年ほど見ていきますと、2016年~2020年の間は20名台でした。ここ3年ほどは募集人数が減っていまして、2021年が17名、2022年が17名、2023年が15名となっています。そして今年募集されている来夏(2024年)進学の代では、14名の募集があるという状況になっています。

UWC NEWS No.49 (June 2023)より

その募集数に対して応募倍率は、だいたい4~6倍台をうろちょろしてる感じです。つまり、毎年100名前後の応募者数となっています。

先述したゴールドマンサックス社による日本協会特別支援奨学金枠だけを取り出してみますと、毎年応募者が10人前後です。昨年は5人応募で2人合格(倍率2.5倍)でした。一般枠の倍率よりも低い点からも非常に狙い目じゃないかと思います。


選考について

選考については、一次試験が「国語」と「数学」。二次試験が「面接」となっています。面接は英語での面接もあります。

必要となる英語力の要件は、この手の留学生選抜としてはかなり低くなっており、 応募段階では英検2級程度で大丈夫です。

ただ、UWC に入った後、そして、大学への出願や大学進学のことを考えると、 もう少し英語力があったほうがいいのかなと個人的には思います。高ければ高いほど良いのが英語力ですからね。

長くなってしまいました。応募にあたっての注意点や、そんな素晴らしい教育環境から卒業した後にどのような進路を選んでいるのか等については次回の記事にまとめます。

▼ 次回「UWC 応募時の注意点と気になる卒業後の進路」はこちら ▼


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