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探す、迷う、進む、感じる『Hollow Knight (ホロウナイト)』

■作品概要:仄暗い雰囲気漂うメトロイドヴァニア
■クリア時間:40時間くらい

 以前からメトロイドヴァニアに興味を持ち『Touhou Luna Nights』で味を占めたからには何かしら骨太な物もやってみようとなりました

 しかし。フルプライスのお値段だと気後れするし、無名なものを手に付ける程の気概もない

 そんな時に見つけたのがこちらの『Hollow Knight』です。

 「メトロイドヴァニアをやるならまずこれをやれ」と言われるほどに絶賛された記事を見つけ、プレイすることに決めました。

 というわけで、この記事は夏休みの折にクリアした『Hollow Knight』の感想を備忘録がてら綴るものとなっております。

『Hollow Knight』とは

 伝統的な手描きスタイルによって生み出された2D世界の中で、曲がりくねった洞穴や、汚染された生物、それに友好的でちょっと変わったムシたちが舞台のメトロイドヴァニア
 英雄とムシたちによって築かれた広大な王国の廃墟を冒険し、自らの道を切り開こう!

丁寧な難しさ

 まず、Hollow Knightの難易度は無茶苦茶高いです。

 主人公の剣のリーチはやや短く、他の技能のコストは高いのに対し。敵の攻撃範囲は広く、数も頻度も苛烈。
 そして戦闘もさることながら、道も複雑で、メトロイドヴァニアよろしく迷い易いステージ構成となっています。

 しかし、極端というわけではなく、チュートリアルを受けているかのように、段階的に難しくなっていきます

道をふさぐオオバルダー、遠距離攻撃を習得するまで倒すことが出来ない。

 序盤のエリアである"忘れられた交叉路”には出口に倒せない敵や、真っ暗な道があり、簡易的な移動制限がかけられています。
 これにより、比較的に弱く単純な敵がいるエリアで練習が行える状態になっています。

 こうした行動制限は壁キックに該当する「カマキリの爪」の取得まで続きます。
 そこに至るまでには、スタグの駅やコニファーの存在に自然と気づくため『よく分からんところに行ってしまって帰り方が分からない』と言った問題が起きにくくなっています。

それでも迷う時は迷う

 ゲールシステムも難易度曲線も見かけによらず段階的で、導線がしっかりしています。
 こう言った難しいけど不親切ではない、丁寧な難しさはプレイヤーを置き去りにせず、色々な要素を楽しませる足掛かりになっています。

"ターン制"っぽいボス戦

 ホロウナイトの難易度が高いことは先にも記載した通りですが、ザコとボスではその趣きが異なります。

 一対多数が基本で、攻撃の量は弾幕レベル、端から端まで移動して辻斬りなんて当たり前、と言ったザコ戦はアクロバットな動きを求められ、アクションらしい立ち回りが求められます。

ザコ戦は結構派手

 それに対しボス戦は、攻撃の種類は3~7種類の組み合わせで、それに対する「正解の行動」が分かりやすく、自分から動くよりも相手の行動を待つことが多い為、アクションというよりターン制コマンドバトルの様です。

敵と自身の攻撃タイミングが順番に回ってくるボス戦

 チャームの組み合わせなどと言った事前準備が重要であることも含めて「死んで覚える」要素が大きく、成長と達成感を覚えられる要素になっています。

どうしようもない奴もいる

終始続く"静謐な雰囲気"

 今作はゲームでありながら、派手な音楽や感動的なストーリーは抑えめに作られています。
 ボルテージの上がる部分は少なく、ただ淡々と、凛とした空気感が生じています。

 それが不思議と心地よいです。

一礼
固化したハチミツの中に

 この様な雰囲気づくりの最たる物だと思われるのが地下下水道というエリアです

怖気立つ

 それまで感じなかった虫の「気持ち悪さ」
 卵の付着する,その粘性、溢れる腐臭、這い回る足音。その全てが生理的嫌悪感を掻き立てます。

 ゲーム画面を通して見る風景でありながら、直に届く感覚は稀にみる経験でした。

気になった点

・続くにつれ飽きてくる戦闘
 前の項目でターン制の様な戦闘であると書いた通り、ホロウナイトのボス戦は「死んで覚え」れば、後はちゃんと避けて攻撃を当てれば勝てる様な作りです。

 ……そう、ちゃんと避けれれば

勝てねぇよ

 確かに死を繰り返せば行動も覚えるし、どう動けばいいのかも分かりますが、動かすのはプレイヤーな訳で、下手くそな私にそんな繊細な動きは出来ません。

 それでも試行回数を重ねに重ね勝っていきましたが、終盤になると「あ、これあと20回位挑まないと勝てない奴だ」と終わりの目処が大体着く様になってきて萎えてしまいました。

マームは癒し枠

 せめてHPバーつけたりとか、Cupheadみたいにどこまで削れたか分かる様にしてくれればなぁ。

 と、いうことで私のホロウナイトはラディアンス前で終わっています。(これでも頑張った)

・電撃イライラ棒
 今作は2Dアクションのゲームとして作られているからか要所要所でアスレチックステージの様な所があります。

 その最たる例として挙げられるのが『白い宮殿』でしょう

どう行けばいいんだ

 下手な人の僻みになってしまうかもしれませんが、難しすぎると思う……

 実況のrta動画を参考にすると、少し楽になったのでおすすめです。

終わりに

 複雑で行先自在のマップ構造、高難易度の戦闘、丁寧でさりげないチュートリアル。
 インディーゲームとは思えない程の骨太メトロイドヴァニアでした。

 ただ、抑揚が少なく地道な部分が多いので、そのあたりで好みは分かれるかもしれません。

 それでも、雰囲気の作りは素晴らしく、満足できると思うので、セールの際に買って見るのはどうでしょうか。

 ……私はTouhou Luna Nightsの方が好きかなぁ

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