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『Touhou Luna Nights』爽快弾幕バトルアクション

※ネタバレ有
■作品概要 :東方二次創作の2D探索型アクションゲーム
■クリア時間:8時間くらい

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 近年になって、メトロイドヴァニアというゲームジャンルが俄かに活気づいています。

 昨年発売された『メトロイド ドレッド』はその元祖本元であり、PV等をみてメトロイドヴァニア欲は高まっていたのですが。値段も高いし、ホラーが苦手ということもあり中々『メトロイド ドレッド』には手が出ませんでした。

 そこでメトロイドヴァニア初心者でも楽しめそうな、作品はない物かと探して見つけたのが『Touhou Luna Nights』です。

綺麗なドット絵、美麗な音楽、そして東方の二次創作作品という点に目を惹かれ、プレイしました。

 この記事は、冬休みの折にクリアした『Touhou Luna Nights』の感想を備忘録がてら綴るものとなっております。

『Touhou Luna Nights』とは

 時間を操る能力や、美麗なスプライトアニメーションで描かれる爽快なナイフアクションの他、「東方Project」ならではの「グレイズ」システムをアクションゲームに取り入れ、敵にギリギリまで近づくことでHPやMPを回復することができ、バトルの駆け引きを楽しむことの出来る、日本のインディーゲーム開発チーム「Team Ladybug」が開発した、東方二次創作の2D探索型アクションゲーム

「――さぁ、私の世界を始めるわよ」
見知らぬ場所、見知らぬ妖怪、封じられた時の力。レミリアの目的とは一体なんなのか・・・?

”ステージクリア型”メトロイドヴァニア

 メトロイドヴァニアは2D探索型アクションゲームの総称です。平面でありながらオープンワールドのようにつながる世界や、スキル入手によって新たな道が開ける快感が主体なジャンルのゲームです。
 しかし今作は、ボスを倒すと新しい道が開ける『ステージクリア型』のエリアシステムとなっており、一般的なメトロイドヴァニアの”迷路感”はかなり少なくなっています

エリアの地図,色ごとに区切られておりステージの最後にはボスが待ち構える

 あくまでも、探索要素は進行を有利にする部分にしかなく「寄り道は沢山あるけど一本道なゲームプレイ」になるように意図されて作られています。
 この良し悪しは人によって異なりますが、ステージ内で明確な起伏がつくられており、遊んでいて楽しく感じられました。

ボスを倒さないと開かない扉
これが次のエリアへの道となっている
隠し道には戦闘や探索を有利に進める道具等がある

 この一本道なゲームプレイは、今作の肝となっている”とあるシステム”がより際立つことになっています。

時間を操り、道を開け

 『Touhou Luna Nights』における目玉システムは、主人公十六夜咲夜の持つ能力”時間を操る能力”でしょう。
 ゲーム内において、周りの動きをスローにしたり、完全に止めることができます。

咲夜の能力”時間を操る程度の能力”
周囲の敵の時間を止める他,様々なギミックに作用する

 これにより、様々なギミックを攻略するだけでなく、敵を一方的に攻撃できるようになります。
 今作のゲームシステムはこの時間操作を主軸に作られており、今作が一本道であるのもそれが要因であると思います。

ステージ内で出てきたギミックが次のボス戦で使われる

 『Touhou Luna Nights』のステージ構成の基本構造として時止めギミックには必ず ギミック→ボス戦 という形式がとられており、そのステージに新しく出てきたギミックをボス戦で使うようになっています。

 その為、ステージ攻略がボス戦前のチュートリアルとして作用しており、時止めギミックを存分に使うように促しています

爽快弾幕バトルアクション

 本作は、ボス戦が無茶苦茶派手で楽しいです。
 原作が弾幕系シューティングである為か、攻撃の全てが遠距離技で球数がひたすら多くて、数が多いです。
 その代わり自機の当たり判定が結構小さく、温情も貰えるので避ける快感があります。

 そして、この弾幕加減に良くマッチしているのが「グレイズ」システムです。
 今作では、咲夜の通常攻撃であるナイフ投げですらMPゲージを消費し、無くなってしまえば攻撃が出来なくなってしいます。

通常攻撃でも僅かにMPを消費する
「グレイズ」が主な回復手段だが、投げたナイフを拾うほか、時間経過でも回復する

 そのMPを回復する手段として「グレイズ」があり、敵の本体や攻撃すれすれに移動することでMPを回復できるようになっています。
 つまり極論、時止めて弾幕に近づけばMPは回復できます。

 しかし、時止め状態でない「グレイズ」にはHPを回復する効果も付随する他、効果量も大きいので、ピンチな時ほどリスクを冒して弾幕に近づく必要が出てくるのでその塩梅が非常に面白くなっています。

滑らかなドットとBGM

 本作の絵作りは驚異的なもので、ぬるぬるとしたドットは操作と直結しており、プレイの楽しさにつながっている他、独特な雰囲気を作り出しています。

 又、原作「東方Project」のBGMも魅力です。
 東方はゆっくりでしか知らない。というような私でも知っているBGMもありつつ、そもそも素のBGMの出来がいいのか耳に残るし起伏に富むのは素晴らしい部分です。

曲が始まると、左下に曲名が表示される

気になった点

・厄介キャラの存在
 今作の難易度はレベルシステムもあり、そんなに難しくありません。
 バランス調整も殆ど完璧なのですが、唯一「紫色オーラの火球」はちょっと気になる敵です。

ザコ敵「紫色オーラの火球」ゲッソーような挙動が許せない

 紫色オーラを持った敵や攻撃というのは、時止めの中でも自由に動き回ることが出来るギミックの中の一つです。
 これだけならいいのですが、この火球「ゆっくり近づく上、挙動がテレポするゲッソー」というとんでもない敵で、純粋な強キャラよりも被弾率が多く、恐らく一番煮え湯を飲まされる敵です。

 攻撃も回避してくるので、適度に折り合いをつけるようにしましょう。

総評

 何より、ボス戦が楽しい作品でした
 全体的なレベルデザインもボス戦に向かうように作られており。戦闘のための調整の部分もあったので、メトロイドヴァニアらしい探索部分を求めていない限りは満足できると思います。
 あるいは、私のようなメトロイドヴァニア初心者にもお勧めです。

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 やりこみ要素にボスラッシュがあるので、クリア後やってみると楽しいと思います。是非どうぞ。

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