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父親の話

私の父親が自分の子供を愛せなかったのは、たぶん自分が戦後の厳しい時代に育ち、とくに母親から愛されなかったからだろう。愛されなかったから愛し方をしらない。そして私は、私の方から父にアイラブユーを伝える前に死んでしまった。
そして今、幽霊であらわれても許せないだろう。
何十年も働いてくれたことには感謝はしてる。でもそれと愛情は別の話だ。

まあ、昭和の家庭のよくある話。特別めずらしくもない。
海外ドラマの「フルハウス」が再放送されるたびに私は「羨ましい」と思いながら見ていたのかもしれない。
昔の日本の家庭にあんなわかりやすい愛情表現をするのは難しいだろう。

そういや、父はダスティンホフマンの「クレイマー クレイマー」のフレンチトーストのシーンをよく話してた。たぶん。

私もあのシーンはなぜか覚えてた。
彼なりに育児放棄をしてる罪悪感があったのだろうか。

だったらせめて生きてる間に先に生まれたほうが歩み寄ってほしかった。私はねじくれたガキのまま、生きるしかない。成長できるといいな。

「進撃の巨人」のクサヴァーさんとジークのキャッチボールにとても憧れがある。私には代理の父はいないけど。
父と遊んだ記憶がない。
私が生まれた時、父はカワイイなとおもったのだろうか?

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