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【ネタバレ注意!】シャロン・テートとセルジオ・レオーネに捧げる『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
この映画は必見の映画だ…。アメリカの1969年は、衝撃的な年であったこと。
ウッドストックの年であり、ストーンズのコンサートの惨劇、映画『イージーライダー』の公開、そして、チャールズ・マンソンのヘルタスケルター讃歌によるシャロン・テート事件…。
この映画を見る前に必ず、『シャロン・テート』のWikipediaでも、できる限り、調べてから見てほしい。アメリカでは有名な事件だけど、日本ではそれほど知られていない。そして、新鋭で話題の監督の夫のロマン・ポランスキーのことも…。
そしてまた、タランティーノ映画のモチーフの変遷もこちらに詳しい。
https://note.mu/purasu/n/nacc4b87f4e8f
!!!!!ここからはネタバレ!!!!!
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シャロン・テートの美しさと懐かしの音楽
1960〜70年のあの頃のサウンドとファション。なんといってもシャロン・テート(マーゴット・ロビー)が底抜けにかわいい。この白いブーツと白いミニスカート。
自分の映画を見にくるシャロンテート。
観客の反応を楽しみながらの、スター街道を歩みだしたことを自分でも納得していく…。ただ、事件の顛末を知っているだけに、天真爛漫な彼女に儚ささえも感じてしまう。
レオナルド・ディカプリオはクリント・イーストウッドだった!
ディカプリオの演ずる俳優は、クリント・イーストウッドだった。
西部劇『ローハイド』でTV人気スターとなり、その後、マカロニウエスタンでヒットし、稼いでアメリカに戻ってくる。
ディカプリオをイーストウッドとするならば、ブラッド・ピットは、バディ・ヴァン・ホーンとするのが正解だろう…。
タランティーノ監督は、マカロニ・ウエスタン映画のセルジオ・レオーネ監督の大ファンでもある。セルジオレオーネの遺作の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』のこれもオマージュだ。
http://www.allcinema.net/prog/show_p.php?num_p=21695
イーストウッドの作品でのスタントマンをやりながら、いつしかイーストウッドの作品の監督へとのつながり…。
当然、この映画の後のふたりのバディの成功ストーリーもふんだんにあることだから、ダーティーハリーあたりをモチーフに続編を展開していくこともありだと思う。
スティーブ・マックイーンにブルース・リー
なんといっても、この2人の関係性がユニーク。ブラッド・ピットもスタントでありながらも存在感が十分。特にブルース・リーとのファイトは、まさに本当にありえそうなハナシだろう。グリーン・ホーネットのカトー役で人気を博していたが、謎のアジアンで空手の達人という設定だった。
スティーブ・マックイーンの設定が少し浮いていたけど、『大脱走』のあのシーンをディカプリオにやらせたかったのだろう…であれば、ブラッド・ピットにもバイクのジャンプにチャレンジさせてほしかったところだ。
プレイボーイ誌のヒュー・ヘフナー邸でのパーティで、スティーブ・マックイーンらがいるが、シャロン・テート事件の時には、スティーブ・マックイーンやブルース・リーらもシャロン・テートの家のパーティーに呼ばれていたそうだ。
もしも…スティーブ・マックイーンやブルース・リーらが、シャロン・テートの家にいたならば、この映画と同じように、マンソンファミリーを、返り討ちにあびせていたと思える…。そんなエピソードも感じる。
ブラッド・ピットのヒッピーコミューンへの訪問
これは『イージーライダー』の逆バージョンだ。イージーライダーは、ヒッピーが偏見で見られることを描いた同じ1969年の映画だが、ブラッド・ピットは偏見を抱いても仕方がない側から見ている。
目も見えなくなり、痴呆も進んでいる古い旧友が、ヒッピーのコミューンとして侵略されているところを目の当たりにする。チャールズ・マンソンのようなグルも登場させても良かったと思う。しかし、旧友の横たわるのは、絶対にヒッチコックの『サイコ』のようなミイラが登場すると期待した…。
LSD漬けのタバコでキマリながら、きちんと戦うブラッド・ピット
ヒッピーたちが、武器を持って侵入するのはなんと、ディカプリオとピットの家だった…。そうか、テレビで殺人を繰り返す奴らを殺害せねばという論理だった。しかしながら、さすが、スタントマンだけあって、ラリっていようが、身のこなしがすごい。同じラリっていても、『トゥルー・ロマンス』のブラッド・ピットとまったく違う。
痛快なアクション。これでもかというほど、叩きつける。まるでゾンビ映画とのファイトシーンだが、ここまで残虐だと不思議と心地よくなるのが、勧善懲悪の正当防衛という名の過剰防衛だ。ディカプリオは火炎放射器なんてもちだしてくるし…。『イングリアスバスターズ』の自主的オマージュ。
不可解なラストシーンの『ローズマリーの赤ちゃん』サウンド
それにしても最後のシーンで、ロマン・ポランスキーのヒット作品の『ローズマリーの赤ちゃん』の『ララバイ』をかけると恐ろしい事が起きる前兆を感じてしまった…。
あのゲートがゆっくりあきながら、この曲をかけると、え!やはり、シャロン・テートは結局…と、思わず、大どんでん返しを期待してしまうじゃないか…。最後のこの音楽の後にオチをメジャーで終わるなどの演出は欲しかったぞ。
ああ、それでもあの惨劇がなかったこと、ブラピも生きていたこと、猟奇的な殺人事件が起こる前提で覚悟していただけに、コテンパにやっつけてくれてありがとうという不思議な気分になった。
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