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『君の膵臓をたべたい』感想
原作を読んだので見てみました。
そもそも、この原作って実写とアニメの両方で映画化されているので迷いました。
でも、私としては色々な意味でこの実写映画にしました。
結論で先に述べます。
うーん。話の流れとしては満点をあげたいんだけど……
気になるところが若干あって満点はあげられない。
※ネタバレ注意
・良いところ
・山内桜良と志賀春樹
この映画で最も焦点が当てられていた二人です。
当たり前のように、青春映画って二人が「恋」を通してどのように心情を変わるのか、もしくは、どのような心情になるのか。
そこが論点となってくるわけです。
この映画に出てくる志賀春樹は所謂クラスで浮かない変わり者。
現代で言うならば、陰キャって感じだろうか。さしずめ。
そして、物語の筋としては、彼がたまたま拾ってしまった共病文庫という本を巡って、山内桜良と色んな出来事を経験していくっていうこと。
最初はあまり乗り気ではなかったものの、途中で心情が変化していく……
例としてあげるなら、旅行のシーン。
あそこ、如実に彼の心情の変化を表していて良かったです。
最初は彼女に振り回されるが、次第に楽しくなって、最後には「楽しかった」と素直に言える心情に。
つまり、山内桜良という人物と共に過ごして初めて、友達の良さ、恋人の良さが理解するようになった。
素直に良かったです。
あと、山内桜良について。
彼女は三幕構成で言うなら、第二幕と第三幕の間らへん? そのぐらいだと思います。
彼女、どういうつもりで彼に近づいたかと言うと。
”秘密”を知られてしまったから。
彼に”恋”をしてしまったから。
だから、大人しそうな彼に近づいたというわけになる。
だけど、彼女には持病、つまり膵臓の病気があり、余命があまりなかった。
だから、一気に彼に近づいて仲良くなりたかったんですね。
それに、あえて”仲良し”という言葉を用いたのも理解がいく。
死んじゃうのに、恋人をつくるなんて違う。
もし恋人をつくって、膵臓の病気について知られてしまったら、きっと自分に優しくする家族と同じように、恋人もまた「死ぬまでに何かやりたいことってある?」って聞く。
だから、彼に恋人云々について聞いた。
彼女、ずーっと明るい面でいるけど実は暗いんだなぁって思う。
誰だって「死」はあるのに、それぞれ訪れが違う。
若いうちに死んじゃう人だっている。
人生の半ばで死んじゃう人だっている。
長生きして死んじゃう人だっている。
こういう理由があるからこそ、彼女は彼に近づいたんだなって感じられます。
・気になるところ
とはいえ、気になるところが若干ありました。
・大人パート
ここ、原作には無いんですけど。
いやあっても終盤の方か。
「ここ、いるのかなぁ~~」って思いました。
なぜかって言うと、高校パートからもう数年が経過していること。
……遅すぎのような気がするんですけど。
うーん。だって、高校パートから数年が経過しているんでしょ?
それだとするなら、気づくの遅すぎだと思うんですけど。
それに、恭子とガムをくれるクラスメートが結婚するところだって唐突だし。
……君ら、どういう理屈で結婚することになったの?
え?
知らないんだけど?
高校パートでそんな描写、全然無かったし。
・ガムをくれるクラスメート
彼誰なん?
名前は分からないけどさ、なんでガム?
え?
分からん分からん。
唐突すぎるから分からん。
まあだけど、彼のおかげで志賀の心情変化が分かりやすかったんだけどね?
だけどね。
唐突なのよ。
・山内桜良
あのさ、1個言って良い?
……膵臓の病気関係ねぇえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
通り魔に襲われ亡くなるって、どういう理屈でこんなことにしたんですか。
原作にも通じることなんですけど、持病の設定があるならそこを生かせば良いじゃん。
……そうすればさ、沢山の思い出と共に幸せに死ぬというエモ展開にできるわけだからさ。うん。
私だったらそうしてたなぁ。
あり寄りのなし。私は。
確かに通り魔の設定が生かしたのは良い。
そうすれば、彼女にだって、誰にだって死ぬタイミングは突然やってくる。
それは、余命宣告されている人にとっても。
……賛否分かれてそう。
・結論
最終的な結論を言うと……
名作になり損ねた良作かなぁって気がします。
個人的に。
ああ、でも原作の方は良かった。
住野先生の書き方、優しいから感動するなぁって思いました。
住野先生の次回作に乞うご期待!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
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