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『仮面ライダーセイバー 深罪の三重奏(トリオ)』感想

セイバー、途中からリアタイしていたので、この後日談的な映画を見ました。

うん。これ、一つのドラマとして見た方が良いかもね。

特撮としての作品ではなく、一つのドラマとして。

※ネタバレ注意

・全体的な感想

この作品、感想を述べるのにどこから手をつけていいか分からないので、とりあえず全体的な感想。

テーマとして、「正義」。

本編で語られてきた戦いによって、被害を受けた人達によって剣士が消されていくって言うのが物語の本筋。

最初、剣士たちは謎の失踪を遂げたとしか思っていなくて、だよなって思う。

だって、目の前のことしか考えてないんだもん。

目の前にある、敵と戦っているのが、「正義」だと思っている。

だから、謎の失踪を遂げたしか思っていない。

そこに目をつけたのが、今作品の諸悪の根源でもある無銘剣虚無。

物だと思っていても、侮っちゃいけないなって思いました。

"それ"は人間の感情、つまり「復讐」に目をつけ、間宮陸に接触。

だが、まだ幼かった彼は分離して幼い陸と、成長した蒼い陸に分離。

なるほど、だからあの子どもは陸で、スーツ姿の男性が間宮なのか。

そして、成長した蒼い陸は8年掛けて剣士に接触。

同時に、剣士たちを全て無に帰す。

自分と同じく賛同者を2人集め、アメイジングセイレーンワンダーランドブックを3冊に分散。

ーーやばいな。「復讐」という感情だけで人間はここまで動くものなのか。

さてさて、全体的な感想はここまでにしておきましょう。

・良いところ

・「復讐」=無銘剣虚無

「復讐」という抽象的な言葉を無銘剣虚無に置き換えたの、天才的な発想だと思います。

無銘剣虚無、確か本編の所有者は「人がいるから争いは無くならない。だから世界を無に帰す」とか言っていたような覚えがあります。

ということは。

”それ”はその所有者の考えに基づいて、今作品のようなことを描いたっていうことになる。

やばくない??

・3人の目の前に立った敵3人

今作の敵は本編での戦いの被害者たちでした。

動機は同情の余地がありまくりだし、剣士を恨んでしまう気持ちも十分に分かる。

特に間宮は。

彼、幼い頃に両親を失っているからね。

そりゃ、今回のようなことを企てたくなる気持ちも分かる。

無論、あの2人だって分かる。

倫太郎の父と名乗った男、あまり多く語られてこなかったけど、「声なき犠牲者」の為に剣士を消そうとしていた。

これも同情のすべき理由でもある。

そして、賢人の婚約者である女性も、あの戦いで巻き込まれ亡くなった元婚約者の為に剣士を消そうとしていた。

この理由もそうです。

ということは、この作品の敵の動機は全て同情の余地があるからこそ、剣士が悩んだ。

そう、自分たちが殺してしまったんだ、と。

自分たちが戦わなければこうなることにはならなかったのに、なぜかこうなっている。

この心情をよく表しているの、私が思うに、賢人の心情だと思います。

彼、婚約者である彼女がまさか戦いの被害者であり、自分を襲った人物だとは思わなかったんだろう。

それだから、余計に気持ちが沈んだ。

倫太郎もそう。

彼は人一倍責任感が強い人だからこそ、気持ちが沈んだ。

そして、飛羽真は同級生であったはずの間宮から襲われ、気持ちが落ち込んだ。

それを乗り越える台詞が結構良かったんだけどね。

特に倫太郎の台詞が。

「報われるかどうかなんて分からない! それでもその人達のことを込めて剣を振い続けます!」

バシッと決まっていて、倫太郎らしい台詞で良いなって思う。

確かに、既に亡くなってしまった、犠牲になってしまった人達の想いが剣士によって報われるかどうか分からない。けど、それでも剣を振い続けるのが剣士であり、「仮面ライダー」。

よく言ったなって思います。

賢人の行動も良いなって思う。

彼らしく、最期まで結花に付き添ってあげたし、「らしい」なって思う。

んで最後の飛羽真も良かった。

「感謝をしている」そう彼は間宮に告げた。

この言葉は恐らく「犠牲になってしまった人達のことを教えてくれてありがとう」という意味を込めた、感謝かなと。

・全体的な感想(リターン)

と言うわけで、結構感想が述べにくいものでした。

けど、考えさせられるものでもある。

・・・・・・あれ? これ、MARVEL作品?

『シビル・ウォー』を見ているようでした。

(物語は違うけど、同じく戦いで犠牲になった被害者たちが出てきているので)


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