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とあるデートの記録

来る9月26日、前日の25日に記念日を迎えた僕らは夜に思い立って次の日にデートをする事にした。きっかけは彼女の唐突なお誘いだった。

"明日スタバでモーニングしたい"

柄にもなく彼女が朝から動こうと言うのだ。これは只事ではない。僕としてもデートをしたいのは山々だったので快く承諾し、計画を練る事にした。

朝から街に出てカフェに行き、街をぶらついた後ランチをする。その後プリクラを撮ってもいいし、ああ、チェキを買おう。たくさん撮って部屋に飾ろう。そんな話をしながら僕らはベットでいつの間にか眠りについていた。

そうは問屋が卸さない

目が覚めるとかなり明るかった。ゆっくりと目を開けると彼女はまだ僕の横で寝息を立てている。そろそろ起きて2人で準備を始めなければ、、、ん?

am10:13

嘘、、、だよな?ん???
たしかに昨日デートの話で盛り上がったそのままのテンションで僕らはセックスをして寝た。寝たんだけれどそんなに寝てしまうものか、、、?

"おはよ!やばい!朝も朝だよ!!"

彼女を起こして急いで準備を開始する。バタバタと準備をして僕らはバスに乗り込んだ。そのまま駅に着き鈍行の電車で街へ向かう。時刻はpm12:05ランチの予約時間まであと55分。かなりギリギリだった。

いつも1人で乗る路線の電車も今日は彼女が隣にいる。それだけでいつもの電車が何か特別なものの様に感じるのであった。最近ハマっているperfumeの曲を聴きながら僕らは目的の駅で降り、急いでタクシーに乗り、ランチ予定のお店へ急いだ。

サラダしか撮ってない。うん。こんなの物書き失格だと思う。でも写真を撮るより食べている彼女を見ている方が大事なのだ仕方がない。僕はパエリアを食べて少し落ち着いた頃にトイレへと1人席を立った。少しでもスマートに店を出る為にお会計は事前に。そして店員さんから一言。

"あれはお連れ様が食べ終えてからで?"

はい。よろしくお願いします。そう会話を交わして僕は席へ戻る。"あれ"とは昨日僕がランチを予約した時に頼んでいた記念日サプライズのプレートだ。何せ誰かにこんなサプライズをするのは初めてで、店員さんになんと指示をしていたら良いか分からなかった為、この一言には救われた。彼女が食べ終えると、予告通りプレートが出てきた。顔を覆い隠す彼女、笑いながら泣いているような微妙な表情でかなり恥ずかしがっていた。店員さんも口々におめでとうございます!なんて言うもんだから周りのお客にも多少注目を浴びてしまった。


"こんな事は夜にして!恥ずかしい!"

なんだか失敗してしまったみたいだ。僕は少しだけ落ち込んだが、こんなサプライズは2人きりの時がいいと言うことをこの日学んだのだ。それでいい。次は絶対にしくじらない事を固く誓った。

レトロな格好で

ランチの後はかねてより彼女と気になっていた古着屋へと足を伸ばした。レトロな柄のシャツが多数あるとの事で僕も楽しみだったし、この日は彼女がシャツを一枚プレゼントしてくれると言う事だったので更に楽しみだった。着くや否や僕と彼女はあれも可愛いこれも可愛いと手に取り服を合わせて見たりした。かなり長い事選んでいたし、途中、このまま着替えてこの後を過ごそうなんて面白そうな事が決まって浮き足立っていると、彼女のシャツに合わせる服がなかなか見つからず、彼女が落ち込んでしまったりと紆余曲折あったが、最終的に別の店で彼女好みのブーツとスカートが見つかり無事僕らは着替える事が出来た。

服を選ぶ彼女はキラキラしていて、誰よりも女の子で僕はそれだけを一日中見ていられる気もした。

いい日にはいいお店へ

着替えて大人っぽくなった僕らは折角だからとデパートのハイブランドを見に行く事にした。僕の香水と同じブランドを見に行ったがそこで彼女のお気に入りが出来てしまった。

似合いすぎだ。色もデザインも最高だった。出来ればその場で買ってあげたかった。この悔しさは僕の中でずっとこだまする事になるだろう。しかし目標が出来たのも事実だ。僕らは近いうちにこれを買う事を決めて、店を後にした。

小腹がすいたので餃子を

日も暮れて小腹がすいたので僕が気になっていた餃子屋に行く事にした。他にも馬刺しなどが置いてあり、彼女といろいろ食べて舌鼓を打った。いつもより顔の赤い彼女はさくらんぼみたいで可愛かった。

帰りも鈍行で

帰り道駅前まで歩いていると彼女が急に"ね、新幹線で帰るの?"なんて聞くから僕は真面目に新幹線の時間を調べていると"やっぱやめた。在来線で帰ろ。その方がなんかデートが長く続くじゃん。"(アホかこいつはこんなとこでそれ言うか?今すぐ僕は君を抱きしめたいぞ???ん??????)

彼女の言う通り在来線で帰る事にして僕らは無事、彼女の家の最寄り駅へと着いた。電車を降りた僕らは初めてここにきた時の道を辿るように誰もいない路地を少し探検して、真っ暗な駐車場でどちらからともなくキスをした。月明かりに照らされた彼女の顔がやけに色っぽかった。

家までタクシーで

僕らは駅でタクシーを拾い家路に着いた。
帰ってきて着替えてゴロゴロしていると彼女が感慨深そうに"楽しかった。"あれ"良かったよ。"なんて言うから、僕は少しホッとした。全面的に失敗というわけではなかったようだ。僕らはそのままベッドに入り、いつもより深く、少し暖かく愛し合ってこの日の僕らにさよならをした。

何度でもこの日を過ごしたいと思えるほどに楽しくて充実した1日だった。こんな日を彼女とこれからも何度でも過ごしていきたい。あ、でも次のサプライズはきっとちゃんと2人きりの夜に。


今日はここまで!
またいつか与太話を。
んじゃ、また!!

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