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【DIY】賃貸で空調無しの書斎にスポットクーラーを設置した

前回始めて投稿した記事で、書斎の改装の事を書きました。
こちらも合わせてご覧ください。


引っ越ししてから新しい書斎を手に入れてはや半年が過ぎ、ついにこいつがやってきました。


『夏』


12月に引っ越してきて、寒さに関しては元々持っていたオイルヒーターと小さなホットカーペットで全く問題ありませんでした。
ですが、7月半ばも過ぎて来ると、暑さがかなり厳しくなってきて、木造一戸建ての2階ということもあり、サーキュレーターや扇風機で空気を循環しているだけではいかんともしがたい状況になってきました。

これはまずいということで、色々探してスポットクーラーを購入するに至った経緯と、設置のために行ったDIYの過程を紹介していきます。

この記事が、同じような悩みを抱えている方の参考になれば幸いです。


・様々な商品を検討

まず冷房機器を導入するにあたり、いくつか候補を検討しました。

・エアコン
冷却効率だけで言うと、これが一番良いでしょう。
しかしここは賃貸物件。
一軒家で壁に打ったりするのはOKなので交渉すれば何とかいけるかも知れませんが、それでもダクトのための穴を壁に開けるのは流石に無理そう。
仮に室内機を取り付けたとしても、2階なので室外機の設置がかなり大変だと思われます。
たかが2.5帖のエリアにそこまで手間は掛けられないので、却下。

・窓用エアコン
と思っていたらこういうのがありました。
普通のエアコンが設置できない部屋のための、窓に直接取り付けるエアコン。

普通のエアコンより冷却効率は落ちる&動作音が大きいらしいですが、なかなか良い商品です。
しかし!書斎の窓は一般的な2枚口の引違い窓ではなく、縦に細長い1枚タイプの縦すべり出し窓。
エアコン本体はカタログの数値上窓枠にギリギリ収まるのですが、本体を窓枠に設置するための枠が全然収まりません。
DIYで無理やり付けることも検討しましたが、読めない要素が多すぎます。
更にこのエアコンを設置すると窓枠がほとんど塞がれてしまうので、日光を採光することができません。
色々と勿体なかったのですが、こちらも断念。

・冷風扇
水や氷を入れて、その気化熱を利用して涼しい風を送るという物。
今回紹介している冷房機器の中で一番値段が安いです。

リンク先のレビューを見てもらうとわかりますが、「涼しくない」とか「扇風機のほうがマシ」と散々な言われようです。
「短時間でちょっと涼しい風に当たりたい」みたいな使い方にはもってこいだと思いますが、「長時間書斎で快適に過ごしたい」という希望には合わなそうということで却下。

・スポットクーラー
そして購入したのがこちら。

普通のエアコンで言う室内機と室外機が一体化したもので、窓用エアコンの床置き版といった感じです。
どこにでも置けて、冷たい空気が出てくるというすぐれものです。

しかしこんな良い商品にも欠点はあります。
まず、背面からめちゃくちゃ暖かい排気熱が出てきます。
エネルギー保存の法則で、冷たい空気が出てくる分、暖かい空気も発生するというわけですね。
通常は排熱をあまり考えなくていい場所、例えば工場、作業所、倉庫など使われることが多いらしいです。(その場合は業務用のもっとデカイのを使います)
この背面からの排熱をどうにかして屋外に排出することが一番重要で、付属品には排熱のためのダクトが付いているのですが、ペラペラな布の筒なので排熱効率が悪いです。
そして、部屋全体を涼しくできるものではないということ。
たとえ排熱を外に出したとしても、外からの吸気口がない場合は稼働に伴って必ず別の場所から外気が入り込むので、結果的に部屋全体は冷えないらしいのです。

と、ネガティブな要素はいくつかありましたが、他の3点に比べて、工夫でどうにかなると判断、というか選択肢がこれしかないと思いこちらを購入することにしました。

届いた商品はこちら。

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結構デカイです。
サイズは60×25×奥行き38.6cm、重さは13kgです。
まあ基本的には動かさないので、問題ありません。


・設置時の問題点

上でも書いた通り、スポットクーラーの排気を外に逃がすことが一番の課題です。
それに伴い、採光&虫の侵入を防ぐためと、スポットクーラーを設置しても本来の窓を開閉できるようにするため、内窓を作ることにしました。
「スポットクーラー 排気」とか「自作」とか「DIY」でググると数は少ないですが、いかに効率よく排熱を行えるか努力した先人達がいたので、そういうのを色々と参考にし設計しました。

・内窓の製作図

元々付いている窓はこんな形。(改装前の写真です。)

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この窓枠の中に内窓を取り付けます。
必要な要素としては、
・元々の窓を開閉するための窓
・排気口
です。
出来上がった内窓の図面です。

書斎立面図2

ある程度見栄えを気にしつつ、シンプルな形にしました。
なにせ工房で作るのではなく自宅で作るため、大掛かりな作業はできないので。


・内窓の製作

まずは、元々設置していたテーブルの天板の位置だと排熱ダクトが狭くて通らないので、少し手前側に移動しました。
最初の改装で下穴とか考えずに無理やり打って、ビスが何本か折れていたので「積んだ」と思いながらも力技で何とか移動。

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網戸も邪魔になるので外しました。

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そして内窓の製作に取り掛かります。
材木は近所のホームセンターで適当なのを見繕って購入しました。
舞台セットを作っている工房だと角材を縦に割いて細い材を作ったりするのですが、自宅だとそういう手間を掛けられないため、押さえ縁なども予め細いサイズのものを見繕って作業量を減らしています。

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作業は2階の廊下で行いました。
なるべく家側の素材に打たないようにするために、いちいち測ってピッタリになるように切り出し。
全て手ノコでカットし、材木の結合はインパクトドライバーを使ってスリムビスで打っています。

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大枠ができたあと、開き窓部分を制作。
丁番はフラッシュ丁番というものを使いました。
普通の丁番(平丁番と言います)よりも収まりが薄いので、掘り込みが無くても隙間を少なくすることができます。

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続いて、採光&断熱になる中空ポリカの切り出しです。
中空ポリカとは、プラスチックの板がダンボール板のように中空構造になっているもので、空気をためるので断熱効果が高いです。
さらにガラスやアクリルよりも衝撃に強く、軽くて加工性に優れるので、こういったDIYに向いている素材と言えます。
押さえ縁を片方だけ打って、中空ポリカを切り出しました。

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そして、窓が開かないように簡単な打ち掛け金具を取り付けます。

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お次はヤスリがけと塗装です。
ヤスリは細い目でかければかけるほど触り心地が良くなりますが、際限がないのでシンプルで簡単な木工DIYであれば最大で400番までで良いと思います。
塗装は元の窓枠に近い色の、アイボリーの水性ペンキで2回塗りをします。
木材は水分を含むと毛羽立つので、一度塗りしたあとヤスリを掛けて、再度塗るときれいに仕上がります。

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乾いたら、中空ポリカを置いて、上から押さえ縁を打ちます。

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・内窓の設置

内窓は窓枠ピッタリに作ったものの、こういう物はかならず隙間ができます。
ということで、窓枠に隙間テープをぐるっと貼ります。
そして内窓をはめ込んで完成!
塗料を塗って、かさがほんの少し増えたのと、摩擦抵抗が働いていることもあり、はめ込んだだけで全然外れる気配がありません。
(逆に外せないかも…)

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排気口には、建物の外壁によく付いているガラリと呼ばれる換気口を選択。
かなり無理矢理取り付けていますが、まあ個人のDIYなので問題ありません。
寸法をかなりせめて作ったので、換気口が押さえ縁に当たるという問題も置きつつ、これも力技でなんとかしました。

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・スポットクーラーの設置

いよいよスポットクーラーの設置です。

ダクトは、アルミのフレキシブルダクトを選択。
アルミテープでアタッチメントに無理やりくっつけて、上から少しでも熱が外に逃げないように、クッション性のあるアルミレジャーシートを巻いていきます。

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スポットクーラーをデスクの下に置いて、窓の排気口を繋げば、不格好ですがこれで完成!
表からはモニターが上手く被って殆ど見えない状態です。
※後日、家の人にカバーを作ってもらって、更に目立たないようになりました。

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・結果

肝心の冷却性能は…

まあまあ

でした。

冷たい風は確かに出てくるのですが、部屋全体は決してキンキンに冷えることがありません。
しかし、真夏の暑い2階の廊下を通って書斎に入ってくると、体感温度的に数度ぐらい下がっている気はします。
現状、外気温35〜36度ぐらいの猛暑日でも、日中これをつけっぱなしにしていれば、汗をかかない状態で過ごすことができました。
ここは個人差によるところが大きいと思いますが、私は満足しています。

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メンテナンスとしては、フィルターの定期的な掃除と、空気を冷やす際に発生するドレン水を捨てる必要があります。
8時間ぐらい付けてると2〜3Lほど貯まります。

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・まとめ

皆さんいかがだったでしょうか?

今回は窓の形状が特殊だったこともあり止む無く内窓を作ることになりましたが、通常は付属の排熱ダクトと窓につけるアタッチメントが別売りであって、比較的簡単に設置することができるようです。

「絶対に涼しい部屋にしたいし、暖房も付けたい!」という方は普通のエアコン一択です。
次点で窓用エアコン。
今回はスポットクーラーしか選べなかったという状況でしたが、個人的に及第点は超えているので、これで夏は死なずに済みそうです。

なにか質問などございましたら、コメント欄にどうぞ!








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