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【絵本 コッコさんのともだち】

くっきり眉毛で、ぷっくりほっぺ、健康的なコッコさん。
でも、ちょっと恥ずかしがり屋なのでしょう
一ページ目の彼女は、みんながそれぞれに遊んでいる部屋の中で、他の子が遊ぶのをひとり見ています。


庭でも、砂場で遊ぶ子たちに背を向けて、ハンカチをほほにあてて、ひとり立っています。泣いてる?

”どうして そんなに ひとりぼっち”

・・・・ともだちと遊ぶのが、けっして得意ではなかった私は、いっきにコッコさんが好きになりました。

保育園って、今までお父さんお母さんに守られていた生活から、突然「社会」に放り込まれるような大転換期ですから、もう自分がどうしたらいいのか、本当にわからなくて、途方に暮れていました。

誰とでもすぐに仲良くなれる子がうらやましくもありますが、
かといって、自分はうまくはできない。うまくやりたいとも思っていない。

「さあ ふたりずつ てを つなぎましょ」
あるひ せんせいが いいました。

さあ、どうしよう・・・
トンデモない課題を、せんせいは さらっと言ってきます。
園庭でポツンとしていた自分の幼い姿とかぶってしまいました。

コッコさんも、もじもじと困っていると、
1人ぼっちの子が、もう1人いました。
ふたりはおんなじ色の服を着ている。
そっとお互いの服にさわってみる・・・

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そして、そおっと手をつなぐ。
だんだんとうれしくなってくる。
もっともっと
うんとうんと。

それから ふたりは いつでも いっしょ
ふたりでいると どうして
こんなに うれしいんでしょう
くるひも くるひも ふたりはいっしょ

ふたりは、仲良くなったけど、この後ケンカもしちゃいます。
はじめて他の子と遊ぶふたり・・・

引っ込み思案のコッコさんが、みんなと遊べるようになるまでのお話です。


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私たち大人は、子どもはみんな友達と仲良く遊んでいてほしいと思っていたりします。とくに働くお父さんお母さんにとって、保育園はとってもありがたい存在です。
楽しく過ごしていてほしい。
寂しい思いはして欲しくない。

私と弟も保育園で育ちました。我が家は自営業でしたから。
わが娘ふたりも保育園育ちです。やはり自営業でしたから。
ですが、あの当時は、母に「こどもたちがかわいそうだ」といつも言われていました。
なぜ?私たちもそうやって育ったのに?
「こどもたちが かわいそうだ」と言われるたびに、なんとも複雑な感情にとらわれたものです。
今でも思い出せば当時のモヤモヤした気持ちがよみがえってきます。
母は、こどもを預けている自分にずっと後ろめたさを感じていたのかもしれません。それがそのまま言葉になって、母になった私に向けられただけなのでしょう。

でも、そんな感情を押し付けられて、モヤモヤしながら子育てを始めた自分に、今では「大丈夫!」と言ってあげることができます。

寂しい時間もあったかもしれない、
友だちをじょうずに作れなかったかもしれない。
それでも子どもたちは知っています。
自分はちゃんと自分を生きていきます。
自分らしくたくましく生きていきます。

いま、3代目孫娘ふたりも、保育園で絶賛奮闘中。なかなか会えませんが、どうかたくましく日々を過ごして欲しいと、心から願っています。


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コッコさんは、片山健さんのお嬢さんだそうです。
頭ん中でこれ以上愛せないくらい、一所懸命、小都子小都子と思いながら描いてるそうです。(福音館書店 作者インタビューより)

このインタビュー記事、とても感動しました。

 

くっきり眉毛で、ぷっくりほっぺのコッコさん
あなたの姿をみると、あなたの強い意志、あなたのこころが、私に勇気をくれます。そんな作者の愛があふれたコッコさん、とっても大好きな絵本です。





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