見出し画像

【W6】最大共通部分構造_05_解析条件変更

【W6の目的】
化合物セットが共通してもつ最大の部分構造を計算する方法を学びます。

【MCS解析の体験】

前回まででW6のworkflow (WF)全体像とデモデータを見てきました。

一通り体験は終わっているのですが、WFの左下に、TeachOpenCADD開発者のVolkamer研からのメッセージがあります。

画像1

そこで今回はRDKit MCSノードの設定を変えてみましょう!


【WFの複製】

と、その前に。

これまではデモデータを見るだけ、あるいは既存のWFにノードを加えて処理ばかりしてきました。今回の体験記では特にW5のクラスタリング処理の前までは意識的にWFの既存部分の条件変更を避けてきました。なぜなら設定変更したノード以降のWFがリセットされてしまうので、計算時間のかかるクラスタリングなど再実行が必要になるからです。

そんなことをしなくてもWFを複製してから編集するなら問題はないので、今さら!?とは思いつつWFの複製操作記録も共有しておきます。

複製したいWFをKNIME Explorerウィンドウ上で右クリック。
Copyを選ぶ。

画像2

今回の場合はTeachOpenCADDのWFをコピーしました。

そして、TeachOpenCADDのフォルダを右クリック。

Pasteを選びます。

画像3

さらにお好みでRenameするとわかりやすいでしょう。私は複製したWFの方をTeachOpenCADD_Trialと命名しました。

画像4

今回はこちらのWFを使って設定変更をしてみます。


ちなみに複製先をTeachOpenCADDのフォルダに指定したのは本WFの各種ファイル群が相対パスでリンクされているからです。

元のWFと同じ階層に複製すればすべてが正しく動きます。


【MCSのThresholdを下げる】

画像5

Thresholdを0.8に下げてみます。

設定: RDKit MCSノードにて

画像6


実行はRDKit Molecule HighlightingノードをExecuteすれば結果を見やすいと思います。もちろんループも含めて全体を実行するのもいいです。

画像7


結果: カラムは並べ替えています

画像8

Threshold=0.9 では 142/156化合物(91%)、Threshold=0.8 で 138/156化合物(88%!)と確かにMCSが変化してThreshholdを超える割合で化合物リストが得られています。

ただ、正直ぱっと見でMCSがどう変わったかは分からないですね。
そこでSMARTS形式で比較してみます。


【MCSのSMARTS】

RDKit MCSノードを右クリックして
MCS of the input structuresを選んでください。

画像9

A) MCS条件Threshold=0.9, 142/156化合物ヒット

画像10

B) MCS条件Threshold=0.8, 138/156化合物(88%)ヒット

画像11


どうでしょう?間違い探しゲームのようになりました。
SMARTS比較はRDKitでできそうですが私は目で見て拾ってみました。
未熟で申し訳ないです。ご助言ある方ぜひコメントなど投稿ください。TwitterのDMでもありがたいです。

画像12


言い訳になりますけど、私の場合workflowを組むより目視の方が早いです。


【TeachOpenCADDの親切設計】

このように、条件を変えてMCSが変化していくのを見ると、magattacaさんの記事のMCSの理論説明が少しわかりやすくなるのではないでしょうか?
ここでぜひもう一度読んでみることをおすすめします。
(再掲)https://magattaca.hatenablog.com/entry/2020/04/26/191733

今回の例だと

MCSの閾値を下げることで、全ての分子には含まれないもののより大きな部分構造をMCSとして見出していることが確認できます。

そして皆さんもおそらく
「閾値を設定」
以外にも
「環結合(ring bonds)のマッチング」
の設定変更などしてみたくなるのではないでしょうか?

Volkamer研の方々がよくよく考えてWF設計されていると感じます。
W6で扱う化合物数をクラスター1つの156化合物に絞ったことで、上記の条件検討がとても手軽にできるのでMCS技術の理解促進につながります。
また、もっと発展的に多数のクラスターを別々にMCS解析したければW6へのinputを変えればいいだけの親切設計です。

皆さんと体験を共有したいとこのnoteを始めたことで、TeachOpenCADDがいかに優れた教材であるかを再認識することができたと感じています。
あらためて、
圧倒的感謝……っ!


記事を読んでいただきありがとうございます。 先人の智慧をお借りしつつ、みなさんに役立つ情報が届けられたらと願っています。 もしサポートいただけるなら、そのお金はKNIMEの無料勉強会の開催資金に充てようと思います。