ルドヴィック&ゾラン・ブケルマ『テディ』溜め込みすぎた感情が目覚めるとき
カンヌレーベル選出作品。ピレネーの田舎に暮らすテディはうだつの上がらない青年である。戦没者追悼式の石碑に文句を言い始める冒頭では、彼が日頃から面倒な人間として扱われていることが推察でき、実際に事件が起きても彼は狼少年のように扱われている。高校を中退した彼は最後に雇ってくれたマッサージ屋でそれなりに真面目に働き、高校生の恋人レベッカの家に入り浸っており、さながら『プティ・カンカン』におけるカンカン少年がそのまま成長したような悪ガキ感が漂っている。そんな彼の周りでは羊の大量死や老