ディアオ・イーナン『Night Train』人工灯と孤独の物語
秘密と嘘で拗れまくった恋愛を展開させればディアオ・イーナンの右に出る者はいないかもしれない。女性死刑囚の銃殺刑を手伝った女性刑務官と、殺された女性死刑囚の旦那の話とくれば今回も彼の作品であると納得できる。しかし、二人が出会うのは物語の終盤であって、そこまでは寂れた田舎街を孤独に放浪し続ける二人を写し続ける。『Uniform』が外見と内面、『薄氷の殺人』が煙の映画だとすれば、本作品は"光が当たらない"映画だろう。徹底的に夕闇の中で人工灯を避け続け、家の中でさえも彼らに光は当たら