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急がば止まれ

「え?何で鞄玄関に置きっぱなしなの!?」
今日、1件寄らないといけないところがあるから先に家を出るね。と彼女が家を出てからもう10分は経っていた。
戻ってこないって鞄持ってないの気づかないのか? と疑問に思いつつも駅まで追いかけることにした。

ちょっと急げば自転車なら彼女が駅に着く頃までに間に合うはずだ。   
漕ぎ出したものの、ペダルが重い。
なかなか前に進まない。通学中の小学生に抜かされる。
「これなら走った方が早いな」
自転車を近場に置いて行こうと思ったが足がペダルから離れない。
「なんなんだよ!どうなってるんだよっ」
すると彼女が何してるのと声をかけてきた。
「あ、良かった。間に合ったぁ。君、鞄を玄関に忘れてたから届けに来たんだよ」
と、渡そうと思ったが鞄がない。
「あ、届けてくれようとしたんだね!ありがとう!でもあたしも途中で気づいたから一回時間止めて取りに戻ったんだよ。君は完全に時間止まらなかったんだね!」

え?えぇ?時間戻すね!そう彼女が言ったた時に、スマホの目覚ましが鳴っていた。

あぁ、夢か。

そんな誰かわからん人が出てきた夢だった。

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