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君がいるから僕は、、、

「ここがあたしの卒業した学校だよ。校内も見てみる?」
そう言って僕の手を引っ張り放課後の静まった校舎へと連れていってくれた。
「勝手に入って大丈夫なの?」
不安そうに聞く僕に反して、卒業生なんだから大丈夫だよ!なんてあっけらかんと返してきた。

ここがあたしが3年生の時の教室で、席替えしてもずっと窓際だったんだよ。座ってよ!あ、でもゆっくり出来ないかもね!?
彼女が通っていた学校は定時制もやっていて夕方になるとまた生徒がやってくるらしいのだ。
そんな話を聞いていたら本当に生徒と思われる人々がひとり、またひとりと教室に入ってきた。
「出た方が良いのかな?」
不安になる僕をよそ目に彼女は、大丈夫だよと平然と席に座ったまま恰も生徒ですという雰囲気を醸し出していた。
先生が入ってきても僕たちに違和感を感じるわけでもなく普通に授業が始まった。
僕の隣の席に人は違和感を感じたのかずっとこっちを見ている。
挙げ句の果てにはスマホで僕たちを撮り始めた。さすがに失礼だろと注意をしようとしたが、彼女が僕の手を握り良いよそんなことしなくてと言葉には出さず首を横に降った。
「ちょっとトイレに行ってくる」
そう言って彼女が教室から出ていったら、隣の席の人が「さっきから誰と話てんの?独り言だったら割りとヤバいレベルだけど」と聞いてきた。

わかってたんだよ。もうこの世にいないんだってことは。
でも、少しでも近づきたくてもっと知りたくて、、、。
異常な行動になってることは自覚してた。
でも忘れたくないし、もう他の人なんて考えられないし。
もう会えない、遠く空の彼方に行ってしまった君の事しか考えられなくて、、、。
もっともっと大切にしていたら、、、。
もっともっと素直に気持ちを伝えていたら、、、。
後悔ばかりが溢れ出てくる。
こんなに好きになった人は今までいなかった、、、。

ごめん。

涙が止まらない。
こんな弱々しい男なのに好きになってくれてありがとう。
もっと強く男らしくなって空の上で安心してもらえるような男になるように頑張るよ!

嗚咽が止まらない。
苦しい、、、。




顔が冷たい。
頬に涙が伝っている。
あ、夢だったんだ 。

そんな号泣の涙の冷たさで目が覚めた朝。


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