20221207

 晴れて、日が差す間は少し寒さも和らいだ。盛り上がりを見せていたサッカーW杯は、日本がクロアチアに1-1の末、PK戦で敗れベスト16で今大会を終えた。選手一人ひとりと抱き合う森保監督が絶賛されていた。家族を前に号泣する吉田麻也選手のインスタだか、TikTokもめちゃくちゃ拡散されていた。一方で、一次リーグで敗退したドイツで解説者が差別的用語を日本代表に対して使ったと炎上騒ぎもあった。ドイツ代表は初戦でカタールでの同性愛差別に対して口を覆うかたちで写真撮影を行い、抗議していた姿勢が評価されていただけに残念だとは思う。しかし、カタールのファンは元ドイツ代表MFメスト・エジルの写真を掲げて同じポーズで反撃。トルコ系移民であるエジルは活躍すれば英雄扱い、できなければ差別的表現で罵倒されることを嘆いていた。これも最もなことである。早川書房から発売された『「社会正義」はいつも正しい』(ヘレン・プラックローズ、 ジェームズ・リンゼイ著)の訳者である山形浩生氏の解説が炎上した件で、早川書房は声明を出して公開を停止した。ここではどの部分が問題であったかは明確にされず、書籍自体も回収などの処置はされていないため問題の根本的なところは解決していない。社会正義ばかりが先鋭化し、パフォーマンスとしての正義が横行する欧州や米国ですでにバックラッシュが起こっていることも問題の根深さを物語っている。今後その流れは日本でも表面化していくだろう。日本の場合は性差別が主戦場となるだろう。というか、すでにトランス差別などでそれは起こっていて、山形の解説はこの部分で本書に記されていないことを持ち込んでいたところに問題がある。これが事実ならその証左を示せば済むし、確証がなければ極めて不適切なものだ。

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