20221014

 雨のち曇り。ずっと曇天が続いている。気温だけは過ごしやすいのが救いだ。近所の公園ではどうやら週末にイベントが行われるようで、搬入車が頻繁に出入りしている。広場には組み立てられたテントの内には、山積みの段ボール箱が見えた。ウィリアム・フォークナーの『サンクチュアリ』を図書館で借りて読み始めた。代表作は『響きと怒り』や『アブサロム、アブサロム!』などなのだろうが、図書館にあったのはなぜかこの一冊だけだった。めぐり合わせということで借りてみた。フォークナーといえば先日、柴田元幸、池澤夏樹、小野正嗣、桐山大介が翻訳した新訳『ポータブル・フォークナー』(河出書房新社)が発売されていた。それで、TLに一瞬フォークナーが立て続けに流れてきて気になっていた。フォークナーはノーベル賞作家で、現代文学を語る上で欠かせない存在ではあるが、当時は小説家としては全く売れずにハリウッドで台本を書く仕事で食いつないでいた。このマルカム・カウリーが編んだ選集『ポータブル・フォークナー』が話題となって一躍、文壇で注目を浴びるようになった。こういう話は文学だけでなく、ゴッホやピカソ、ベルベット・アンダーグラウンドやラモーンズなど文化的歴史においてはよくあることだ。そういうこともすべてめぐり合わせなのかもしれない。人生はめぐり合わせに溢れている。

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