20231014

 夜から雨が降って気温も下がった。Worlds End Girlfriendの新譜『Resistance & The Blessing』を聴いた。三十五曲、二時間二十五分という、配信が主になった現代の傾向を逆行する大作。LPでも四枚組である。聴くまでのハードルが上がるし、彼らがなぜこのアウトプットを今リリースしたのか、それもこの作品を聴いてしまえばおのずと答えは分かる。WEGは、MONOやtoeなどと並ぶ日本のインストゥルメンタルバンドを代表する存在だ。オリジナル音源としては二〇一六年の『LAST WALTZ』以来、実に七年ぶり(サウンドトラックとして二年前に『うみべの女の子』をリリースしてはいる)。ヒップホップの台頭とTikTokなどSNSでの音源流通をはじめ、コロナ禍のダメ押しで、ライブハウス文化やギターロックは完全に死に体となった感がある。現代で彼らが送り出した作品は、そういった流れに真っ向から対抗するような威厳を放っている。タイトルに「抵抗と祝福」という言葉が冠されているのも納得。

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