20230901

 九月は、旧暦で長月と呼ばれる。実際には今のユリウス暦でいう、十月くらいの時期で「夜が長い月」=夜長月と呼んでいたのが長月になったという。確かに「秋の夜長」と今でも言うくらいに、この感覚は一般化している。九月と言っても、あとひと月くらいは残暑が続くのだろう。日が照っている時間はまるきっり夏だ。残暑という言葉もこうした気候を表すのにとても優れているなと感心する。どういう会話をしていたのだろうか、と気になったりする。明治における言文一致運動が起こるまでは口語と文語は違っていたのだろうから、もしかすると平家物語のような琵琶法師が歌う叙事詩が口語体に限りなく近い文体なのかもしれない。

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