20230125

 晴れたが寒い。一歩も外に出ないことにした。外に出なくとも人はやることが無限にある。顔を洗い、洗濯物を室内に干し、朝食の準備をしてその日のニュースをチェックする。これだけで二時間はかかる。もう昼になってしまう。気になっていた映画『ファウスト』を観た。ゲーテによる不滅の名作をヤン・シュヴァンクマイエルが独自の世界観で映像化している。実写と粘土や操り人形を使ったストップモーションを多用し、悪魔などの幻想的世界を表現した素晴らしい映画だった。しかもストーリーも円環の構造で伏線を回収していき、観客を飽きさせず満足させる完成度の高さを兼ね備えていた。小説で参考文献として読んでいた浦久俊彦『悪魔と呼ばれたヴァイオリニスト パガニーニ伝』(新潮文庫)を読了。一九世紀に欧州に旋風を巻き起こした天才ヴァイオリニストの生涯は大変興味深いものだった。現在の音楽ビジネスにつながるモデルを生み出したのが彼であったということも発見だった。

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