20230120

 快晴で、気温も少し上がった。しかし、大寒波がついにやってくるようだ。週末から来週いっぱい氷点下の日々が続く予報。公園ではまだ子どもたちが駆け回っているが、これからしばらくはこういう風景も見納めになるだろう。今日はわたしが主宰する小川洋子読書会の日だった。昨年から小川洋子の作品を読んで感想を共有するこの会を始めた。わたしが小川洋子の作品に心酔していたこともあるが、なにより「読書会」というものに憧れていた。これまではなかなかそういった趣味仲間を見つけることもできなかったが、Twitterで知り合えた文芸関係の人たちに思い切って呼びかけてみたかいもあり、今回で四回目を迎えた。今回は『ミーナの行進』(中公文庫)が課題図書だった。〇五年のもので、読売新聞連載を書籍化した。全国紙の連載ということだけあって、彼女の幻想的な世界観ではなく、『博士の愛した数式』のようなリアリズムに根差した物語になっている。有名な製菓企業であるカバヤやミュンヘンオリンピックなどの史実をベースに中学進学を機に母親の元を離れ、伯母の住む西洋屋敷に住まう語り手トモコと、その家に住む少し年下の少女ミーナの過ごした日々を振り返りつつその時期に開催されたミュンヘンオリンピックのバレーボール男子チーム、さらにテロ事件を交えた構成は恐らく、9.11以後のイラク戦争を経て混迷を極めた中東情勢と世界的なテロ事件という社会問題にも強くリンクしていた。そういったことを他の人たちから聞いていて、さらに深く作品世界を知ることができた。ほかにも演劇の話なども聞けて勉強になった。これからも続けていきたい。

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