20240112

 クリント・イーストウッド監督の映画『クライ・マッチョ』を観た。かつてロデオで名を馳せた老人が、牧場主のメキシコに残してきた息子を探し出して連れ帰ってほしいという願いを叶えるために国境を超えるロードムービー。同監督の作品では『グラン・トリノ』が名作だと思うのだが、今作もその系譜を踏襲している。マッチョイズムに憧れる少年、道中で巡り合うメキシコの信心深い未亡人とその孫たち、彼らと交流していくうちに老人は孤独から解き放たれる。『グラン・トリノ』と違い、それがイーストウッド監督の大きな変化とも言えそうだが、武骨に強く生きることを奨励してきた彼のマッチョイズムは、今作ではマッチョイズムなどくだらないと少年に諭す柔軟さを手に入れているところだ。老境ということもあるのかもしれない。

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