20221220

 快晴で、すこし暖かさが戻った。今年もあと十日で終わってしまう。皆が今年を振り返っている。今年はコロナの世界的情勢がやや好転してきて、日本でもようやく七波が去れば明るい兆しがあるのではないか、そういう前向きな年明けだったように思う。ところが、2月のロシアによるウクライナ侵攻でそうした雰囲気は一気に吹き飛んだ。アベノミクスを支えた円安による株高は円高の反動で一気に反転し、日本でも防衛に関する議論が沸き上がった。個人的には五月に文フリの破滅派17号に「阿鼻叫喚」(17号はここで購入可能→https://minico.me/product/hametuha-017/、阿鼻叫喚は途中までだがここで読める→https://hametuha.com/novel/67557/)という短編を寄稿したことが前半の思い出深い事だった。この時は破滅派で佐川恭一氏の『シン・サークルクラッシャー』、斧田小夜氏『ギークに銃はいらない』を同時刊行する時期で最速でサイン本を販売し好評を博した。17号では「小説の速度」と題し、起承転結の構成、文体、エンタメなどのジャンルなど様々な要素が小説の持つスピード感、「速度」を左右しているのではないか、という考察のもとに同人それぞれが作品を寄稿した。わたしはさらに「速いと思う小説」「遅い小説を書く作家」など質問要項に答えてもらったアンケート記事も担当させてもらった。小説について他人の意見を聞きつつ、自身で考えるという作業は大変興味深く、刺激的なものだった。

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