20240327

 久しぶりに日差しが戻って、ようやく春らしい天気になってきた。もう四月は目の前なので三寒四温も終わってほしい。ウェス・アンダーソン監督の映画『アステロイド・シティ』を観た。前作の『フレンチ・ディスパッチ』には正直、あまりピンとこなかったのだが、今作は面白く観れた。劇作家による演劇「アステロイド・シティ」をその物語の裏側とともにメタ的に語る作品。『グランド・ブタペスト・ホテル』から一貫して、いわゆる「リアリズム」を排した、たてづけの映画セットの舞台装置のような世界観でフィクションを撮影してきた彼にとっても一つの到達点と言えるのではないだろうか。前作では平面的な横移動のカメラワークだったが、今回は人物視点でカメラを切り替える奥行きが出たことで物語がより立体的に感じられた。

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