20221112

 小春日和。公園に出向くと、明日開催されるハーフマラソンのトライアル会場の設置で業者が入っている中、なにやら体育館で大会も行われているようで人混みの間をトラックを通すために業者さんが声を掛けていて大変そうだった。いつも歩く道々の民家の庭先にはピンクや紫など目を引く鮮やかな色合いのポインセチアが咲き誇っているのを目にする。くわえて紅葉する街路樹の間を抜けると、なんとも華やいだ気分になる。長い冬の前につかの間、現れる楽園のようだ。小学校の校庭でもサッカーに興じる幼子たちは、元気溌剌に声を上げている。ウクライナの戦争や、物価高や社会的不安は嘘のようにそこには見えない。こういう日常を送れることの幸福を人はどうやって噛みしめるのだろうか。今日は大江健三郎の『万延元年のフットボール』の読書会だった。初参加の会で、ZOOMの設定に手間取ってしまった。皆、口をそろえて「読みにくかった」と言っていて、案外面白おかしく読んだ自分とはズレを感じた。それは大江の文が回りくどく、翻訳文学っぽいからかもしれない。普段から海外文学に慣れ親しんでるわたしにとってはそういう障害を感じなかった。いずれにせよ、いろんな読み方があって面白い。今回は三章までの前半だったので物語としてはこれから盛り上がっていくことだろう。次回が楽しみだ。

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