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「ブラインドマッチは容姿ではなく性格重視」という、大きな誤解

ここ最近、knewの「ブラインドマッチ」について、メディアに取り上げていただく機会が多くなりました。なかでも顔写真・プロフィール非公開の提案型のマッチングを、“脱ルッキズム”と打ち出していただいた『BUSINESS INSIDER』さんの記事は反響が大きく、事務局にもたくさんの嬉しい声が届いています。

『脱ルッキズム?「顔写真非公開」の恋愛マッチングサービスが続々誕生、人気の理由』
https://www.businessinsider.jp/post-242898

その一方で、「顔より性格を重視する人のサービス」「容姿に自信がない人しか使わない」など、ブラインドマッチについての誤解を見かけることも多くなってきました。

「プロフィールを明かさない=容姿に自信がない」
という式ではないことを、まず最初にお伝えしたいと思います。
実際にknewでは、容姿・印象の被満足度に関わらず、ほとんどの人が情報非公開を好む傾向にあります。

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この表は、プロフィール非公開を好む人の割合をknewの容姿・印象の被満足度(相手にどれだけ満足されたか)ごとに表したものです。容姿・印象に関わらず、多くの人がプロフィール非公開を好んでいることがわかります。

knewは、容姿と性格のどちらかではなく、“両方を同等に”重視するマッチングサービスです。

ブラインドマッチを主軸にしているのは、「顔より性格が大事だよね」というメッセージングではありません。偏見・誤解を払拭するべく、このnoteではknewが「容姿・印象について考えていること」をお話したいと思います。

容姿・印象の重要さは、データでも明らかになっている

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knewでは、マッチング後最初のコミュニケーションはビデオチャットです。プロフィール写真や条件だけで人を判断するのを防ぐためではありますが、「容姿は関係ないよね」ということではないのです。

ビデオチャット後に「これからも連絡を続けたい」と答えた会員の理由には、「お相手の容姿・印象に好感を抱いたから」と書かれていることが少なくありません。

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このグラフは、ビデオチャット後「これからも連絡を続けたい」と回答した割合を容姿・印象満足度ごとに出したものです。容姿・印象につよく満足するほど連絡を続けたいと回答する率が上がっており、knewでも容姿・印象とマッチング率は強く関係していると言えます。

公開はしないものの、knewでも会員登録時には事務局にプロフィール写真を送っていただきますし、お相手を探すうえで容姿・印象も指標のひとつになっています。けれど、容姿がすべてではない。同じく、性格がすべてでもない。どちらか一方に偏ったマッチングは、本質的ではないと考えています。

「好みとは何か?」を紐解く研究

名称未設定のアートワーク (1)

マッチング率と容姿・印象の相関が強い一方で、興味深いのが「好み」について。
例えば、1回目のマッチング相手からは容姿・印象満足度が高かったAさんも、その後お相手からは評価が低かったり、かなりバラつきが出るのです。
マッチング相手が変わっても、一貫して「高い容姿・印象満足度」をキープしている会員はほとんどいません。

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複数回ビデオチャットを行っている会員を、3名抽出してみました。
ビデオチャット1回目~5回目にお相手から受けた容姿・印象満足度を表にした結果、何回目かによって満足度がかなりばらついていることがわかります。

knewのデータを見ていると、想像以上に人はそれぞれ「好み」を持っていることに気付かされます。この結果を見て私たちが気になったのは、「好み」という曖昧な感覚の正体。これを紐解いていくと、どんな要素・条件が見えてくるのでしょうか?
knewは今、テクノロジーを駆使して「好み」を分析・解明する挑戦をしています。

例えば、日々収集しているマッチングした相手への「好み」(容姿・印象満足度を含む)についてのデータと、日本顔タイプ診断協会(※)の研究を掛け合わせてみるなど。

(※)日本顔タイプ診断協会
顔の輪郭やパーツの特徴やバランスなどから顔タイプを分析することで、似合うファッションのテイストや髪型などを導き出す「顔タイプ診断」を考案した一般社団法人

日本顔タイプ診断協会は、人の顔は8つのタイプに分けられると発表しています。

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画像引用元:日本顔タイプ診断協会

このマトリクスを軸に、ビデオチャット後の会員からの感想を照らし合わせていけば、パーソナライズされた会員の「顔の好み」が可視化できるはず。

もちろん容姿・印象だけでなく、各会員の兄弟構成・趣味・職業・出身・外向性などの特徴から「好み」を言語化する研究も進めています。

knewが提供するのは、よりリアルな「出会い」の瞬間

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私たちがサービスについて説明をするときに、「日常生活に近い感覚のマッチング」という言葉を使うことがあります。オフラインで初対面の相手とコミュニケーションを取っているときのように、誠実さやモラル、緊張感をアプリの中で保ちたい。

最も心地いいと思える塩梅を捉え、実現するために、開発チームは様々なイメージを通して日々「創りたい世界観」を共有しています。料理に例えるとしたらどのようなスパイスを使うか、複雑な味なのか、シンプルな味なのか、など。

感覚をすり合わせるために多様な考えに触れ、共有し合っていくなかで、株式会社Snow Peakが「社会的使命」として“人間性の回復”について語る資料を見つけました。

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画像引用元:株式会社Snow Peak

業界は異なりますが、ここで語られていた内容ついてはとても共感しました。
マッチングアプリに疲れてしまう人が少なくないのは、顔写真とプロフィールのみで他者比較が続き、自然な出会いの形から遠のいてしまっていることも一因と言えるでしょう。だからこそknewは、より現実世界の自然な出会いに近い形で容姿・印象を感じ取れるビデオチャットと、数字や条件での過度な比較を避けるブラインドマッチが人間としての社会性を大切にすること、ひいては“人間性の回復”に繋がると思っています。

減点法・消去法で他者を選別する仕組み、不誠実な会員に対する取り締まりの緩さ、過剰に加工された写真。
本当にそれが、会員の喜ぶ本質的な機会提供になっているのでしょうか。

knewは人を幸せにするためにテクノロジーを使い、日常生活と同じように、手触り感のある「出会い」を守っていきたい。顔だけでもその人らしさではないし、性格だけでもその人らしさとは言えません。

両方揃って初めて、本質的な“魅力”が見えてくると考えています。


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