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2024デュアスロン世界選手権 レポート #1 個人レース編

こんにちは
金田です。

8/16-18にオーストラリア クイーンズランド州タウンズビルで開催された、World Duathlon Championship(世界デュアスロン選手権)の個人レース(Sprint Distance, 8/16)とMixed Relay(8/18)のレースポートです。


大会について

今大会はタウンズビルで8/15-25の期間に開催されるWorld Triathlon Multi-sport Championships(以下WTMC)の一部門です。
トライアスロンはご存知だと思いますが、マルチスポーツはトライアスロン・デュアスロン・アクアスロン・アクアバイクなどの複数種目を続けて行う競技の総称です。

昨年のWTMCはスペイン・イビザで開催され、Elite/U23/Junior/Age/Paraと幅広いカテゴリー・年齢層の選手が様々な種目のレースに参加します。
Ibiza大会のStandard DuathlonではAge80-84歳の方も完走されていました。

Elite/U23/JuniorではDraft Legal(ドラフティング許可レース)で各種目の世界チャンピオンを決める戦いとなり、一方、Ageカテゴリーでは(速さを競いますが)参加し完走すること自体に大きな意味があり、各国の選手との交流も含めてお祭りのような大会です。

8/15 Opening Ceremonyの様子

今年は約世界40ヵ国から3000人の選手が参加したそうです。
昨年に比べ、ヨーロッパから遠いということもあり参加人数は減っていましたが、それでも街全体で大会を盛り上げトライアスロン・マルチスポーツの多様性・奥深さを感じることのできる素晴らしい大会です。

8/16 World Duathlon Championship Sprint Distance Elite/U23

レース概要

デュアスロンElite/U23カテゴリーの世界選手権でElite/U23の選手が同時に出走する混走レース。U23の選手はEliteでも記録が残ります。

コース図

フォーマットは
1stRUN(2.5km×2Laps=5km)
Bike(5km×4Laps=20km)
2nd RUN(2.5km×1Lap=2.5km)
のSprintDistaneです。

ランドアバウト

ランコースはアップダウンが多くあるかなりタフなコースで、
バイクはコーナーと折り返しが多数あり立ち上がりの回数が多く、さらにスピードバンプやランドアバウトが随所にあり気が抜けません。

目標

U23で表彰台に登ることを今年最大の目標としてやってきました。

結果

U23 Result

55'45 15'07(-'26)-31'48(-'45)-7'40
U23:4位/11出走 Elite:17位/35出走

レース展開

1stランから高速にレースが展開した。最初の1km、登っているにも関わらず先頭は2’45のペースで通過。先頭のEliteのトップが14'10-20で行くことが想定されるため、U23の〜3番が含まれるであろう第2集団を目標にした。
1-2kmは少し緩んだが、3kmは8’51で通過し突っ込んだこともあってかなりキツくなった。3km-4kmでタレて目標の第2集団から離れバラバラと溢れていくうちの1人になった。第一トランジ(T1)にはイギリス人2人とスペイン人と一緒に入った。
15'07(ave3'05/km, (Ave/Max)HR176/183bpm, CoreTemp37.93/38.44°)

ついていくべきだったイギリスの選手

T1がこのレースの結果を左右する大きな大きな分岐点だった。
1st Runがかなりキツく、ヘルメットの装着の時にふらついたこととシューズを脱ぐことに時間をかけてしまい、イギリス人2人とスペイン人に差をつけてしまった。

バイクでは後にいたEliteで参加の田中文也さんと合流したが、文也さんが踏めず、自分もバイクの序盤で腰に痛みが出て280w/5倍とエアロポジションの維持が苦しかった。

腰が痛くて頭を下げられていない。

コーナーの立ち上がりも全身疲労でキレがなく、1番鍛えたバイクが1番不出来だった。速度が上がらない割には休めず、3人の追走には追いつけず、後ろにいたオーストラリア勢に最終周に入る時に追いつかれ4人でバイクを終えた。結果的に前の3人はさらに前の集団に追いつき、ここにはU23の1〜3位がいて、その差は2分ほどまで広がってしまった。

Eliteの結果より(拡大して見てください)

T1からのバイクで前のイギリス人たちの追走に乗れていればと考えるとかなり悔しい。
ave39.3km(ガーミン計測), NP260w/AP248w,(Ave/Max)HR165/177bpm, CoreTemp38.81/39.02°)

2ndランではせめて集団の頭でゴールしようと思い走った。幸か不幸か、バイクで踏めてなかった分、心拍は少し回復しておりきつかったが足は動いていた。昨年は3'20/kmかかったが今年は3'04に抑えられ、4人の頭は取れたのでそこは良かった。
7'40(ave3'04,(Ave/Max)HR174/183bpm, 38.60/38.66°)

レースラスト100mあたり

チャンスが見えていたからこそ、4位というあと1つの順位だったからこそ、とにかく悔しかった。自分なりに積み上げてきたが、足りなかった。
応援・支えてくれた人に結果で答えられず申し訳なさと無力感を感じた。

全力は出した。しかし届かなかった。
Youtube Live より。男子は1:49:30あたりから)

T1が大きな分岐点と前述したが、では、トランジの技術が原因だったのか。
おそらく違う。
確かにトランジの練習をすれば数秒上がるかもしれないし、脱ぎづらいアルファ3ではないシューズを選択すればさらに削れるかもしれない。
しかし、結局のところ、いかにフレッシュな状態でトランジを迎えられるかが重要で、ランで余裕を持てていればフラつくこともなく、バイクに乗車してからの追い上げも容易ではあっただろう。
「結局走力」というところ、なんとも脳筋な着地点だが、いかにバイク単独の力があろうと走れなければバイクも踏めないし、いかに走れようともバイクで足を削り過ぎてしまっては走れない。
連続して複数種目をこなすマルチスポーツにおいて、各種目のコンビネーションがいかに重要かを改めて思い知った。


最後に

これでU23カテゴリーでの世界選手権のレースは終わった。
もう一生走ることはなく、来年以降に出場する場合はEliteカテゴリーとなり、上を目指すにはより厳しいラインを超えていかなければならない。

少なくとも来年はスペイン開催で、自費派遣で多額のお金がかかるため出るかどうかは正直わからない。
今年は「U23での表彰台」というモチベーションがあり、オーストラリアで近い=費用は小さくなるから現実味があった。

たくさんの方からご支援・応援をいただきました。
本当にありがとうございました。

多くの人にクラファンを通じてサポートをいただきこうして出場できたわけだが、毎年やるのではなく、活動のサポート体制を築いて持続性を持たせないといけない。また、トライアスロンのミドル・ロングやロードレースへの転向・挑戦も考えていて目標は定まっていない。

ただ、自分がデュアスロンで活躍して、その後、ロードレースやヒルクラ、ミドル・ロングで活躍することで、この競技を知ってもらえたり、一つのモデルケースとして競技に貢献できるかもしれない。

少なくとも、この大会は私の中で大きな分岐点になるであろう。
その先にどんな道が待っていて、どのように走っていくかは正直わからないが、上記の可能性を模索しながら進んでいきたいと思います。

たくさんの応援が力になりました。
ありがとうございました。



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