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2019年振り返り 観劇記録 「吸血姫」

昨年は関西の公演中止、今年は関西で観れるかなと期待がありますが、5月東京公演は中止する日の発表がなされており、もうしばらく控えねばならぬな、と思います。

2019年の観劇感想にてお茶濁しです。。。





===2019年4月 【唐組30周年記念公演第1弾】 『吸血姫』===

記憶がますます怪しくなってきた今日このごろ、記憶や思い出が正しく残っているのか、はたまた幻か思い違いか、わからなくなってくる今日この頃。

事実と違って都合よく再編された思い出があって、それが目の前に現れてきたとしたら。。。

とわけのわからないことを言い始めてしまう衝撃を
与えてくれるお芝居 唐組「吸血姫」、拝見してきました。




このお題は有名なお芝居、戯曲です。唐組からの発表によりますと状況劇場での初演から既に47年がたっているそうですので、ネタバレ含んだ感想を言っても今後観劇される方に大きな影響はないものと勝手に考え、思うままの感想を書きたいと思います。

現在、knasadaの手もとにある文庫版(古本で求めました)の初版が昭和50年とのことですので、38年前に買い求めた赤いハードカバー版の発行はもう少し古かったものと思われます(惜しいかな、ハードカバーは自宅の荷物整理をしようとして自ら数年前に処分してしまってました、その時にはまさかこの目で吸血姫の舞台を見られる日がくるとはおもってませんでした)。


「吸血姫」、一昨年あたりから、どこかで見る機会を、と思い始め、探していたのですが、なかなかかかっている場所に巡り会えず昨年は
まずは、京都の劇団による「少女仮面」を拝見、その後、唐組が大阪でかけられた 「ビンローの封印」を拝見、という経緯で、吸血姫を引き続き検索という日々でした。


今年、唐組は何をやられるのかな、と思ってましたら、なんと、吸血姫!


チケットの発売を待ち、無事入手しました。そして、昨日14:00の整理券配布に並ぶ、という順調さ、に、思わず、列に並びながら一人笑み。。。


テントでの再演、やはり、舞台装置が戯曲からの想像をはるかに超えていて、タノシい。

整理券並んだおかげで、二列めで舞台装置を首あげて見上げながらの迫力の拝見でありました。


重要登場人物の一人である、海乃ほおずき、彼女の記憶、ありたい方向性と実際の結果が入り交じり、現実ではなかったことまで目の前に現れてきます。

虚構、ありたい姿を偽って前に進めるのか、どこかでボロが出るのか、そしてその行く末はどうなるのか、ハラハラしながら見入ってしまうのでした。


ヒゴノカミと言う名の登場人物、今や漢字変換してくれない単語となりましたが、自動鉛筆削りや手動鉛筆削りでは不満、といきがって筆箱の中に入れてた、あの肥後守、滑らかに鉛筆を削り上げるには時々研いでやらねばならない、手のかかる道具です。安全にたためて持ち歩ける、使うときには刃が出る、いつでもそばにある便利さと危険の背中合わせの感じが重要場面の数々で発揮されてたように感じました。


キーワード お世話、上野の森、満州、大陸浪人、などなど満腹になりますが、knasada 在住歴ある中国東北(満州)地域での記憶もにじみ出してきて不思議な感覚のうちに、ラストシーンが視界の奥へ遠ざかっていったのでした。


このお芝居には、満州の風景は登場せず、上野の森の向こうの海のさらに向こうにあるそうですが
少女仮面では、満州の病院や満映ゆかりの人物も
登場したり、もしてました。

長春や吉林をまた訪れて現場感を味わいたいと思ったのでした。






蛇足、次に見たいのは「愛の乞食」、用語はテレビでは避けられるもの満載で扱いづらそうですが
今の時代になってみるとテントにかけるには
ケレンが足りないんでしょうか。。。でも、トテモ見たい。。。


テントの余韻冷めやらぬまま、

♪ナイテくれるな、夜啼きのトリよ~
 ツキのテンマをひと~り~♪

帰ってゆくのでした。