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牛肉麺絵日記 37/100杯目 巷口炒飯王 (台湾・台北)5/7/2013

スケッチー100

牛肉麺屋さん巡り37日目。2013年5月7日 夕方6時。(台湾・台北)

まだ5月だというのに毎日めちゃくちゃ暑い。7月8月はどこまで暑くなるのだろうか。早朝暑くなる前、買い物に出かけたり運動したりする沢山の人で公園や市場は賑わう。朝7時を越えると陽が照り始め、本格的に暑くなるので7時を境に急に公園の人は減っていく。毎朝小学生の時の夏休みのラジオ体操後の様な気分で家に戻る。”暑いから今日は・・いいか・・”とだらけてしまう。

昼が暑いので夜は夜市が賑わう。今日は夕方景美夜市に出かけてみた。景美夜市は最寄駅公館駅から2駅、景美駅近くの夜市。

景美夜市は沢山の人でごった返していた。台湾では毎夜夜市が開いているので毎日日本の夏の縁日のようだ。小学生の頃、私が育った町では夏に数日だけ縁日の屋台が開かれた。毎年カレンダーを見ながらワクワクしてその日を待ちました。金魚すくい・怪しい型抜き・箸に巻かれたお好み焼き。かき氷屋の青はブルーハワイ・緑はメロン・赤はいちご。ブルーハワイだけ少し高かったのでいつもいちごを注文した。いつかハワイに行ってみたいな・と毎年思った。夏の縁日屋台は数日だからワクワクできる。毎日金魚すくいはしたくないな・・などと思いながら、安値の服屋さんがぎっしり店を並べる景美夜市の中を歩く。薄目で見るとパリのクリニャンクールの古着街のようだ。

服屋街を抜けると小さめのサイズのスマートボールが並ぶ露店があり、たくさんの若者がキャッキャを楽しそうに騒いでいた。その奥にやたらと看板が貼り付けられている複合屋台があった。どのお店も炒飯王の看板を掲げているので同じ経営者の屋台群の様だ。炒飯王の屋台群は、炒飯の屋台だけでなく、藥膳豬腳湯 ・豚足の薬膳スープ煮藥膳羊大骨・羊の骨つき煮込みを売る屋台や、牛雑湯・牛ハチノススープ臭豆腐と鴨血を売る屋台、デザートは豆花の屋台。手工水餃・手作り餃子の屋台の前の長テーブルは、大量の韭菜水餃・ニラ水餃子を大皿に注文してビールを飲み交わす男性グループが陣取っていた。

鴨血ヤーシエは鴨の血を寒天状に固めたもので、臭豆腐屋でメニューに見かけます。レバーの様な塊をスライスして煮込むと、スープの味に深みが加味され野趣と渋みが上がります。血を使った料理は世界の国にある様で、ヨーロッパにも色々あります。フランスのboudin noir・ブータン・ノワ、オーストリアやドイツのBlutwurstブルートヴルストなどの豚血加工品は有名ですが、私は鴨の血の加工品をヨーロッパで見た事はありません。フランスでは、鴨を締める時に窒息させて絞め、鬱血させて身に血の旨みを回す方法をエトフェと言いますが、血を抜いてしまうエフィレよりも旨みが強く上等とされています。鴨や鳩のローストのソースを、そのお肉から出た血で仕上げるサルミという古典的な料理もあります。東西問わずどこの国でも食材を無駄にせず、知恵や工夫を凝らして、健康的に美味しく食べる所は共通の様です。

メニューを眺めながら歩いていると、炒飯王のメニューにも牛肉麺があった。いわゆる台湾スタイルの牛肉麺ではなさそうですが、面白そうなので注文してみました。数分待つと麺が来た。牛煮込みが乗った牛肉麺ではなく、炒めた牛バラスライスを濃厚なチキンベースのスープでさっと煮込んだものが細めの卵麺にかけられ、大量の青梗菜にバジルが乗っている。

暑さのせいか不機嫌そうに餃子を調理している若い女性店員さんを気の毒に思いながら汗と拭き、バジル香る麺をいただき、お店を出た。

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